03:病弱スノーホワイト 9 / 10 「ありがと、駅まで送るよ」 「あ、ありがとう」 「電車どっち方向?」 「空港の方面!」 「あ、同じだ」 日も少し傾いて、気温も下がって。 それでもまだ暑い外へと足を踏み出した。 テストはあぁだとか。 あの先生はいい先生だとか。 駅まで他愛のない話を繰り返して。 同じ普通列車に乗って揺られる。 「あ、俺ここで降りるから、またね」 「あ、うん」 私の降りる駅の数駅前で彼はそういって立ち上がる。 にっこり笑って登くんは手を振った。私もそれに倣って振り返す。 大丈夫かなぁ1人で。 倒れたりしてしまわないかなんて、少しだけ心配に思えた。 ≪≪prev しおりを挟む back |