24:ちぐはぐチーム 2 / 6

「どうしたの?」

 言葉だけを返すと「こっちに来てよってことでしょ」と手招きの意味を告げられた。
 そりゃそうか。呼びかけだけだったら手招きの意味はない。

 何だろうか、とか言ってみたい。
 なんとなく察しはついている。


「えーと、この距離で聞いておこうかな? お願い事」
「なぁに、何か自惚れでもしてるの」


 楽しそうにみせる、作り笑い。
 彼の腹の底なんて見えることなどない。


「自惚れてなんて、ないよ」

 本当に違うとしたら恥ずかしいな。抱きつかれたりするかなって、思ってたんだけど。
 登くんは深く息を吐き出してから立ち上がる。


「飲み物買いに行こ、一緒に」


「のんのーん! 俺ねぇ、ジンジャエール!」
「俺烏龍茶。弥生は……集中してるね、適当に買っといて」
「パシリじゃないんですけどぉ」



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