23:弱虫騎士と悪役少女 6 / 7


「真麻、遅くなっちゃってごめ……」
「嘘ついてたの?」

 真麻の言葉は、私と会話をするつもりもないような、ただ1つの言葉だった。

 思わず「え?」と間抜けな声を私は零した。



「香月くんと付き合ってるって、隠してたの?」


 あぁ、あぁ、そうだ。
 真麻は香月くんが好きで、噂を聞いてしまえば怒ってしまうにきまっている。
 どうにかして真麻の誤解は解いてしまわないと。

「あの……」


 私が真麻に声をかけようとした刹那、タイミング悪くチャイムが響いて真麻の視線は私から外れる。チャイムの問題ではないかもしれない、彼女は意図的に私から視線を離したのだろう。
――まるで、拒絶するかのように。


 眉をひそめた真麻の表情が、やけに私の中に残った。






――






 放課後になっても、あのくだらない噂話は途絶えない。
 真麻は私の話を聞こうともせずに、私を無視して帰宅してしまった。

 一言連絡を入れておこう。
 真麻に「後で電話したい」そうメッセージをスマホで伝え終わると、魚住先輩からメッセージが来た。
 視聴覚室に来れるかという内容だったので、大丈夫であるというスタンプを送って視聴覚室に向かう。


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