22:泣いてもいいよ 5 / 6


「美幸も、登も、広明も、香月も。悲しいとか苦しいとか何かあればすぐ分かるよ、お前らのことが大好きな、フェアリーテイルのリーダーだから」
「私はメンバーじゃ、ないですよ?」
「お前もちゃんと仲間だよ。全員、お前のことがちゃんと大好きだ」


 いつもは馬鹿にしたり、喧嘩しているくせに。恥ずかしげもなく、寧ろ誇らしげに弥生先輩は穏やかに本音を口にした。
 私なんかも、仲間に入れてくれているなんて。


「自分が傷ついたことじゃなくて、登を傷付けたとか考えて悲しくなってんだろ、馬鹿だなぁ」

 弥生先輩の手が私の頭に触れる。
 撫でるように、優しく手が動いた。

 抑えていた気持ちが溢れ出すように、何かに安心したようにぽろぽろと涙がこぼれ落ちてきた。
 馬鹿だなぁ、本当に馬鹿だ。



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