20:ぼくのかのじょ。 4 / 11

「俺は好きな子以外といたしませーん!」

 香月くんの言葉に登くんが反応する。

「ホント? あんた片っ端から女とセックスして捨ててるって噂になってるよ」


 確かに少し聞いたことある。
 香月くんが色んな女の子と遊んでるって。流石に嘘だって分かるからスルーしてたけど。


「せっ!? ししししないし! てかのんちゃんそれ信じてる!? 俺がそんな最低男だって」
「思ってないよ」


 慌てたように香月くんが声を荒らげ、登くんはにっこりと優しい笑みを浮かべた。
 それを見た香月くんは「良かったぁ!!」と心底嬉しそうな声を出す。

 弥生先輩が、また笑って。
 馬鹿にするような声色で香月くんに言葉を投げつける。

「だっててめぇ性格からして女に手ぇ出せないだろ、彼女いても出す前に見た目とギャップがって振られそ。さては童貞だな香月」
「ふふ、ホントにさ」

 あられもない言葉を躊躇いなくズバズバと音にしていく弥生先輩。
 それに、楽しそうに登くんが賛同した。
 香月くん、いじめられてる。かわいそ。


「酷くね!? 2人共酷くね!?」
「お前らね、そういう話はせめて星尾ちゃんがいないところでしなさい」



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