20:ぼくのかのじょ。 2 / 11 すると、後ろにいた登くんが私の肩から香月くんの手を払った。 「どうせ宇佐美真白から逃げたいだけなんでしょ? 別にふりでいーじゃん」 あれっ、登くん知ってたんだ。 ……知ってた上でさっきの反応だったの? 「何でのんちゃんも知ってんの!」 「いや、噂、宇佐美真白本人が流してたから」 ……ん、付き合ってるって? だとしたらもうみんなに知られてんの? なんかやだそれ。女子の標的になるじゃないか! ……それが目的で噂を流したのかもしれないけど。 「俺、ふりとか苦手だもん! ぎこちなくなっちゃうから!」 「駄目ですー、星尾さんは俺のなので貸しませーん」 「えっ」 「違いますー、俺のですー、なぁ美幸ー?」 「えっ!?」 あっ、これからかわれてるやつだ。登くんと弥生先輩に。遊ばれてる。 登くんはいつもと変わらずで、私ばかりドキドキしてるんじゃないか。 やっぱりさっきのはからかっていたのだろうか。 「お前ら、星尾ちゃんを困らせんな」 魚住先輩の呆れた声に、弥生先輩が適当にへいへいと返事を返した。 「大体、納得いかねぇな。てめぇの始末くらいてめぇでつけろってんだ」 ≪≪prev しおりを挟む back |