16:毒吐少女とお人形 3 / 8

「ま、まいねーむいず、みゆき! ないすちゅみーちゅー?」
「お前大丈夫かよ」

 何ですかそのツッコミは。
 酷くないですか弥生先輩、あぁやめて、そんな本当に心配した表情で見ないで。

 少女は弥生先輩にもにょもにょと耳打ちをする。
 弥生先輩は私を見て「チェルシーです、よろしくお願いします、だってよ」と淡白に告げた。

 チェルシーちゃんというらしい。可愛らしい名前だ。


「立ち話も何だし行こうよー」
「あぁ。ちょっとコンビニ寄っていいか」

 単調に弥生先輩がそう告げて、案内するかのように前を歩き出した。
 私と香月くんはそれに倣うようについていく。

 しばらくついていくと見えてきた、見慣れた色のコンビニに入る。


「何か良い物ないかなー?」

 香月くんがお菓子コーナーに歩み寄っていく。新商品と書かれたポテトチップスに手を伸ばした。
 味噌味とは……奇妙なものに香月くんは楽しそうに笑う。


 私がお菓子に手を伸ばそうとした時、コンビニ特有の客を知らせる音楽が流れて、それと共に言い争うような声が聞こえてくる。
 何かと入口を覗くと、女の子と男の人が言いあっている。痴話喧嘩か何かだろうか?




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