16:毒吐少女とお人形 2 / 8

 不機嫌そうな表情を浮かべるこの子が他の子に馴染めていない子だろう。

「可愛い……お人形さんみたい」


 笑えば天使じゃなかろうか。
 こそりと弥生先輩の後ろに少女は隠れた。

 け、警戒されてる!?

 香月くんは怯まず少女に歩み寄っていく。金髪だから少しは馴染みやすいのかもしれない。ちなみにこの言い分は適当である。

「Hello!!」

 何も違和感がないように、香月くんは呪文を唱えていく。
 多分「英語」とかいう私の知らない呪文だと思う、うん、知らない。

 うんうんと頷きながら少女と話す香月くん。
 にっこり笑って私の方を向いた。


「美幸ちゃんともお友達になってくれるって!」

 ほ、本当?
 ちらりと少女を見ると、彼女は控えめに私を見た。
 とにもかくにも、自己紹介をしなければ。英語で自己紹介。なんだっけ、なんだっけ!



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