ただいま営業中
■ご来店
カラン・コロン♪
「いらっしゃいま…何だペクかぁ」
「テメェ名前、何だその言い草!客だぞ俺は!」
「母さん、日替わり定食でー」
「頼んでねぇ」
「えぇ、いつもコレじゃん…じゃあ何食べてくの?」
「…、それで良い」
「良いんじゃん!何で一回拒否ったの!」
「うるせえ、違うモン食いたい時もあるだろうが!」
「違うもの頼んでから言いなよ。
大体、日替わりなんだからいつも違うモノ出るよ馬鹿」
「良い度胸してんじゃねぇか、表に出な!」
「はいはい私今 家事手伝いと言う名のボランティア勤務中だから後でね!
…お席はそちらをご案内させて頂きますぅ」
「っ気持ち悪ィ声出してんじゃねぇ!」
「ひっどい。客だっていうからお客様扱いしたのに…
大体、他のお客さん居る時はこうでしょ?」
「俺以外の他人の事なんざ知らねぇな」
「この客 面倒臭過ぎる」
■団体予約
「あー、ねみ…。オイ名前、寝るから10分後に起こせ」
「自由過ぎる。ちょっと…ここ飲食店。
仮眠スペースじゃないんだけど…っていうか、ペク。
毎日のように来てるけど練習大丈夫なの?」
「休憩時間中に来てるっての」
「そんなの当たり前だから!韓国代表がサボって来てたら追い返すから!」
「あー?落ちた奴の分も頑張れってか」
「落ちた奴の事とか知らないし」
「ハッ、冷たい奴」
「何それ、別に冷たくないよ。
だってその人自身が次に頑張るしかないでしょ、ペクに何が背負えるって言うの?」
「は?何で俺がヘッタクソの責任背負わなきゃならねぇんだ」
「さっきの言葉そのまま返す!」
「んだよ、俺以外の他人の事なんざ知るか!」
「はぁ〜、技術あってもコレだからなぁ…チームの人大変そー」
「サッカーど素人でも俺の実力を見極められる目がある事だけは褒めてやる」
「自分に都合の良い所だけを聞き取ったよこの男」
「うるせぇな、ペク様の睡眠を妨げるんじゃねぇよ。
後、明日チームで夕飯食いに来てやるからコース料理用意しとけ。
15人くらいだが倍ぐらい食うからな」
「は!何それ!?聞いてない!大体、明日定休日!」
「商売だろうが、働け」
「意味分かんないから!ペクの馬鹿―!!」
■開宴
「んん、コレ美味いわ。さすがペクのお気に入りの飯屋ってだけはあるよな」
「当たり前だろ、マズイ飯に金払えるか」
「いや、不味くても食ったら金は払えよ?」
「知らねーな」
「まぁまぁ、せっかく美味しい夕食なんだから
わざわざ不味い物の話すんのはやめてどんどん食おうぜ」
「こら、今日は監督にご馳走になるんだから ちょっとは遠慮して食べろよ?」
「「おーす」」
「追加まだかなー」
「言ってるそばからがっつく気しかないじゃないか…。
はぁ、仕方ないな。空の皿持ってくついでに聞いてくる」
「さすがキャプテーン。気が利くー」
「…おいソク。そいつは店員の仕事だろ。
名前の奴が今に下げに来るから置いとけよ」
「コレくらいは許されるだろ、俺達の為に休みの日にわざわざ開けてくれてるんだ。
それともお気に入りの店員さんに会いたいからって事?」
「あぁ?んな訳ねぇだろ!」
「じゃあ別に大丈夫だろう?行ってくるよ」
「…ちっ…」
■裏手で一騒動
「すみませーん、追加で頼んだ料理はオーダー通ってますか?
後、テーブルいっぱいなので食器返しに来ました」
「!!っすみません、お客様にそんな事させて!料理はもうすぐ出来上がります!」
「いえ、無理言って店開けてもらったのはこちらなので」
「本当にお待たせして申し訳ありません。
持っていきますので、テーブルで寛いでいて下さいね」
「はい、ありがとうございます。…」
「…」
「…」
「…あの、何か…?」
「いや、あの…、何ってほどでもないんだけど…。
名前ちゃんだよね?小学校で一緒だった…
俺ソク・ミンウだけど、覚えてないかな…?」
「…!」
「あっ、心当たりある?
良かった、店で見た時からそうかなって思ってたけど人違いじゃなかったね!」
「ソク君ってあの、気弱で小さくて華奢だった…!?全然分からなかった!!」
「気弱…、何か余計な記憶まで蘇ったみたいだね」
「あっ、…ゴメンつい」
「はは、良いよ。名前ちゃん昔からずっと正直だったもんね」
「うわー、懐かしい。
急に転校決まったから他の子とも疎遠になったんだよね…元気だった?」
「この通り、韓国代表になれるくらいには活発になったよ」
「そっか、良かった」
「ペクの行きつけのお店が名前ちゃんの家だったなんて凄い偶然だね。
俺も個人的にまた食べに来ても良いかな?」
「−−−…オイ料理まだかよ名前。いい加減待ちくたびれてんだよ」
「っペク!?と言うか料理忘れてた!すぐ持って行くから戻っててっ!」
「…テメェ。
大人しそうな顔して俺のモンにちょっかいかけてんじゃねぇぞ」
「えっ?いや、俺はそんなつもりは…っていうか2人は恋人同士なの?」
「…うるせぇな、余計な詮索してねぇでさっさと席に戻れよ。
今回だけは目を瞑っといてやる」
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