4.君と僕のメロディー











今流行の曲じゃない。

往年の名曲と呼ばれる歌が耳に流れ込んでくる。



ラジオっていいものだ。


普段自分が絶対選ばないような曲

その名曲たちとの出会いが訪れたりする。


少し気になったその曲のタイトルを何かの書類の裏に書き込んだ。






鈴が転がる。


ん〜少し違う、もっと安心感があって、透明な音。


風のようにさわやかで、でも冷たい風じゃない。


すっと心の中に吹いて、温めていってくれるような音。




俺は朝じゃなくて


夜、眠りに着く前にあっていると思う。


いったん終わってしまったその番組を自然な手つきでもう一度頭から再生する。





わざわざユファンに頼んで録音してもらった。



”なぜ?”って聞かれるのが嫌だったから、ジュンスを口実に使ってラジオを録音してもらった。







第一印象はぜんぜん覚えてない。



普通って感じ。



綺麗とかわいいの中間でこれから大人の女性になるに連れて変わっていくような感じ。


ジュンスが言うには俺らと同い年だから、やっぱり一般的には幼く見える。



はじめは「あぁ〜ジュンスと知り合いなんだ。」って思った。


挨拶のときも、ラジオをやっているだけあって綺麗な発音だなって思った。



でも、放送が始まると俺は戸惑いを隠せなかった。



マイクを通して語りかける声。






あんなにも



「   」



だなんて。






うん。俺のボキャブラリーの中には今、あらわす言葉がないから、あえて言わない。



彼女の声の印象は言葉ではなくて感覚だと思った。




放送中盤からドンドンと聞き入っている自分がいて、気になって何であんな声で話すのか、何であんなトーンで話すのか。



この人が歌ったらどんな音が出るのか。



気になって仕方なかった。




それがさ、聞いている途中よりも聞いた後に残るんだ。


聞き終わるともう一回聞きたいな。

また聞くと、もう一度…って。



あの後、ジュンスと親密に話しているのを見て、胸が苦しかった。

ジュンスずるい。

俺も俺にだけ向けた音を聞きたいのに。











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