13.Treasure






とっても

とっても

もったいないけど

はっきりとは覚えていない。






あまりにも甘い時間に

脳がとろけてしまったのだろう。





二人はベッドにも移動せずに

ソファーの上でお互いを求め合った。




時間がどのぐらいたったかわからない。



一度、果てた後

彼はすぐに先ほどとは正反対

やさしい小鳥がついばむようにキスをする。





そして今度はゆっくりと深く私に口付ける。





「椿ベッドにいこう」




彼の声にただ声を出さずに

首を立てに振る。



彼は私をゆっくりと抱き上げると

シンプルなベッドルームに移動した。


ひとつひとつの動作にやさしさがあふれていて

涙がこぼれそうになった。



やわらかいベッド

暖かくてごつごつした彼の腕

すっぽりと包まれて再び瞳を閉じる。











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