とっても
とっても
もったいないけど
はっきりとは覚えていない。
あまりにも甘い時間に
脳がとろけてしまったのだろう。
二人はベッドにも移動せずに
ソファーの上でお互いを求め合った。
時間がどのぐらいたったかわからない。
一度、果てた後
彼はすぐに先ほどとは正反対
やさしい小鳥がついばむようにキスをする。
そして今度はゆっくりと深く私に口付ける。
「椿ベッドにいこう」
彼の声にただ声を出さずに
首を立てに振る。
彼は私をゆっくりと抱き上げると
シンプルなベッドルームに移動した。
ひとつひとつの動作にやさしさがあふれていて
涙がこぼれそうになった。
やわらかいベッド
暖かくてごつごつした彼の腕
すっぽりと包まれて再び瞳を閉じる。
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