私立星望学院(せいぼうがくいん)

 西洋に通じる紳士の育成を目標として創建された、全寮制男子校。カトリック系ミッションスクールであり、十三歳から十八歳の男子を幅広く受け入れている。
 生徒が互いの身分や家柄に囚われない公正な心を養うため、名字を名乗ることは卒業式の日まで禁止。
 施設に関して→学院内詳細


生徒名簿(随時更新)

六年(18)

東雲(しののめ)
青寮寮長。知性と物腰から育ちの良さが窺えるが、いつもぼんやりしており、謎めいた人物。あまり勉強をしているように見えないが、学力はトップクラス。一人で行動することが多いが、時々、巴に頼る。
「さあねぇ、おれ寝てたからなあ。巴に聞いてごらん?」

巴(ともえ)
赤寮寮長。長い黒髪を高く結んでいる。剣道と空手が得意で、何事もきっちりした性格。目付きが鋭い。東雲と対等に話せるくらい頭がいいが、そのぶん勉強もしている努力派。
「またあいつ……いえ、東雲が来ていないんですか。探してきます」

糸春(いとはる)
白寮寮長。病で一年休学しているため、他の寮長たちより一歳上。おおらかで信心深い。人を強く叱ることは嫌いで、すべての人間は愛されてこそ正しく生きられると信じている。
「どうした、何か悩みがあるのか。話してみるか?」

路尾(みちお)
黒寮寮長。華道の家元の息子で、本来は身分を明かさないことが原則ながら、家のしきたりに従って学校を休んで帰らなくてはならないことが多いため、例外的に明かされている。名字は蘇芳。控えめな人物。
「君たちには、いつも世話をかけるね」

五年(17)

矢菊(やぎく)
黒寮所属。真面目な性格。牡丹とは正反対に見えて、とても気の合う関係で仲が良い。あまり裕福でない家の育ち。学費の全額免除のため、寮長になることを目指しており、路尾の不在には副寮長として寮を取り仕切る。実は養子だが、本人は知らされていない。
「邪魔するなよ、牡丹。一緒に勉強するって言うから連れてきたんだぞ?」

牡丹(ぼたん)
赤寮所属。活発で我儘な性格。矢菊と仲が良いが、実は血の繋がった双子。財閥の跡取りとして産まれ、将来双子では争いになるからと矢菊が養子に出された。矢菊は養子であることも知らされていない様子のため、学院に入学して偶然再会したものの、打ち明けられずにいる。
「退屈じゃん、ちょっと抜けよーって」

四年(16)

緋央(ひおう)
白寮所属。目鼻立ちが明るく、人目を引く華やかさも持ち合わせている。本人も勝ち気で目立ちたがり。新しいもの好きで、何でも日本風より西洋風に興味がある。
「んな古臭え挨拶、ここでは不要だろ?」

啓(けい)
青寮所属。信心深く几帳面。読書家で大人しいが言いたいことは言う。物心ついてから家の財政が悪くなって養子に出されたので、実の親と良い家の子供(主に東雲)が嫌い。教えを信じる心との間で葛藤している。
「……東雲先輩。用事なら手短にお願いします」

三年(15)

悟(さとる)
白寮所属。大人しく内向的。礼拝堂が好きで、よく一人で訪れる。他人を気遣いすぎるところがあり、関わるのが苦手。自分にも他人にもきっぱりと接する巴に憧れている。
「あの、僕……その……やっぱり、大したことじゃないので……」

時雨(しぐれ)
黒寮所属。路尾の従弟にあたる。ややドライで周りと距離をとる性格。寮に入ったのは過干渉な両親と離れるためだったので、信心も薄い。退屈に任せて、客観的に周囲の少年たちを見ている。
「僕はいらない。ごちそうさま」

藤馬(とうま)
白寮所属。病気がちでよく休むので、話し下手だが何かと自分を気にかけてくれる悟に感謝している。教えに従順で、素直で心優しい。椿とは寮も学年も違うが、良い友人だと思っている。
「ああ、来てくれたんだ。ごめんね、こんな格好で」

二年(14)

椿(つばき)
赤寮所属。一学年上の藤馬に恋心を抱いている。嫉妬心や独占欲が強く、藤馬と親しい悟のことが嫌い。欲望が絡まなければ、真っ直ぐで比較的真面目な少年である。寮長の巴に剣道を習っている。
「寮長、手合わせお願いできますか」

蒼都(あおと)
黒寮所属。成績は優秀なのだがやや不真面目で、時々深夜に寮を抜け出す。朝まで帰ってこないことはざらにあり、数日間帰ってこなかったことも。どこで何をしているのか、問い質してもまるで掴めない。
「迷惑のかかるようなことはしてませんよ、誓って」

草平(そうへい)
青寮所属。東雲を妄信的に敬愛しており、髪型から制服の丈まですべて彼を真似ている。将来は青寮寮長になって、東雲と同じネクタイを締めるのが目標。ただし崇拝するあまり、その憧れは時々、憎しみと紙一重になる。
「寮長、どうしたら貴方みたいになれるんです? おれ、あと貴方の何を盗めば貴方みたいになれますかね」

烈(れつ)
赤寮所属。椿と親しく、人懐っこく巴のことも怖がらない。空手を習っている。勉強は苦手だが教えには熱心。しかし聖母が処女懐胎したという一節だけで真っ赤になるほどのうぶ。
「し、しょ、無理だ今日も読めない!」

一年(13)

樹(いつき)
青寮所属。素直で真面目な少年。親から立派な紳士になるため、学院に入学させられた。自分とは異なる雰囲気を持つ、大人びた夜鷹と親しくなりたいと思っている。
「ねえねえ、それ、何の本?」

夜鷹(よだか)
白寮所属。どこか物憂げで大人びた少年。星を見ることと生物図鑑が好き。多くのことを語りたがらず、あまり問い詰めると逃げ出してしまう。樹のことは嫌いではないが、自分からは近づかない。
「俺、いや僕のことは……気にしないでくれ」

実春(さねはる)
黒寮所属。好奇心旺盛で、少しずる賢い。よく授業の合間に、牡丹から飴をもらっている。見つかると牡丹のせいにして庇ってもらう。憎めないところのある少年。
「ね、一個分けてあげるよ。さっき牡丹先輩にもらったんだ」

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