星狩り


名前のない星が
空の切れ間から墜ちる夜
君はどこかの月の影
膝を抱えて眠っている

ここまで おいで
鳴き出した金のオルゴール
どこまでゆこうか?
囁いた誰の だれの だあれ

嗚呼 ああ 呼嗚
月が揺れた


巡りめぐる夜には
煌めく砂が足りない!
「綺麗なもの頂戴」
噛み砕かれた流星


やがて月は隠れて
誰も彼も君も眠る今
甘い夢の裏側
塗りつぶす道化の影

ここまで おいで
軋み上げる その喉笛
どこまでゆこうか?
君とならどこまででも でも

嗚呼 ああ 呼嗚
もう見えない


巡りめぐる夜には
お伽噺を語らなきゃ
「これですべてお仕舞い」
魔法がとけた僕の影


「巡りめぐる夜には」
「膝を抱えて眠らなきゃ」
「月の色の目をした」
「貴方に拐われぬように」


巡りめぐる夜には
終わりの鐘が響いて
「さあさここでさよなら」
傅いた誰かの影

巡りついた朝には
君はきっと忘れている
それでいいよ夜は
目を閉じる限り巡る!

「これで今はお仕舞い」
月明かりの夜の嘘


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