朝が来ないから
夜も来なかった
狭い花の中
照らしてる蛍

君を分かつなら
いっそ要らないな
何も言わないで
そういうことでさ

共有者になるのなら
きっとこの指は
ナイフのように

溶け出して零れた橙は胸の中
僕のただ一つ 澄んだ空を濁して
少しずつ 少しずつ狂い出すとしても
今が正常であれば君に笑える

月が出ないから
目も覚めなかった
夜光する言葉
名残火のように

あの日からずっと
逆らってるんだ
君が覚めるころ
開く瞼にも

傍観者を気取るより
舞台に背を向け
はぐれていくよ

遠ざかれ 僕の目に映らないくらいに
眩しい速さで この空も抜け出して
凝らしても 凝らしても届かない果てまで
君が行けないのならば僕が向かおう

君を分かつなら
いっそ要らないな
どうぞ羽ばたいて
いなくなれよ

溶け出して零れた橙は胸の中
僕のただ一つ 澄んだ空を濁して
少しずつ 少しずつ溢れ出すとしても
今が正常であれば君に笑える
 


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