信じ合える喜びよりも
それを渇望することのほうが
時に甘くも思える僕は
悪くない犬だと思わないか

なだらかな進化論よりも
一瞬に咲く永遠のほうが
上手く愛せる非道な君の
手のひらを甘噛みしてみようか

蓋を開いた劇場で
一人芝居

ありったけの愛でも茶番に見える
君が言うなら そうなんだろう
盲目に盲目を二乗して
黒く溶けた視野の中
蝋のような躰を抱いた

突き詰めれば愛も忠誠も
形にできる器などなくて
削る心の数に伴い
陳腐に果てる言葉を呪った

口を開いた熱情に
踊らされて

傷だらけになっても撫でてほしい
その手を噛んで 強請るんだろう
繰り返す微睡みの隙間から
覗く光の真下で
途切れそうな君を試した

ありったけの愛でもまだ茶番に見える
君が言うなら まだそうなんだろう
手負いの情は骨まで歪み
滑稽に あとは歩くばかり

ありったけの愛でも茶番に見える
君が言うなら そうなんだろう
盲目に盲目を二乗して
黒く溶けた視野の中
蝋のような躰を抱いた

その一瞬に君はまた微笑った








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