灯籠流し



熱を孕んだ翼が
傷痕だらけの
城壁を撫でて

兵隊たちの行進曲は
逃げ場を失い
燃え尽きた

闇を纏った銃弾が
傷痕だらけの
星空に向かい

村人たちの言の葉は
その日を境に
消え失せた


崩れゆく城よ
雪崩ゆく歴史よ
此れを聖戦と呼ぶならば
私は神など見たくない

崩れゆく街よ
流れゆく時よ
此れを歴史が隠すなら

私は時間を止めて


崩壊も
再生も
消してしまいたい


熱を孕んだ言霊が
傷痕だらけの
剣になって

戦いを知らぬ少年は
生きるも死ぬも
解らなくなり

意思を持たない銃弾が
傷痕だらけの
地上を抉り


終幕を知らぬ争いは
影になるまで
滅ぼし合った..




灯籠流し



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