Vampire



誰も彼も眠る様な
月も黙る午前二時
大時計が鳴り響くわ
尖った爪の手招き

いつもより長い夜を
終らないと錯覚する位
引き延ばして


貴方は宵闇ヴァンパイア
黒いコートに隠す紅
潰れた薔薇で乾杯して
始めましょう
指を取って

ドレス裂いた爪
牙を立てて
これが嘘でも
まことの夢でも


砕けたグラスの真ん中で
流れ落ちてく葡萄色
足りないのなら
足せばいいでしょ
底をつくまで注いで

月の光で染め上げた
白いレースの
羽根が剥がれ墜ちる


貴方は宵闇ナイトメア
結んだリボンに滲む赤
閉ざした瞼に口づけて
溺れたいのは
私も同じよ

溢れ返る雫
命の限り
これが夢でも
夢でも無くとも


満ちた月も眠る午前二時
人形の様な唇から
零れ落ちた永遠の愛が
刹那と紙一重だとしても



『――――――』



貴方は宵闇ヴァンパイア
重ねた指から伝う紅
潰れた薔薇で乾杯して
始めましょう
私を呼んで

溢れ返る夢
心は此処に
これが愛でも
醒めない夢でも




Vampire

(アイシテル、)




- 4 -


[*前] | [次#]
ページ:




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -