アズラエル
欲しかったはずの君の言葉は
ノイズ混じりで聞こえない
掠れてしまった愛の言葉を
紡いだキスは血の味がした
真実を欲しがって
傷つく覚悟は無いのだけれど
虚像の君を追い求め
悲観するほど幼くもない
痛みばかりが手のひらに沈む
君からの慈悲は
求めていないのに
濁ったはずの湖に
映った月は何色か
見えないはずの水面に
沈んだ私は何色か
欲しかったはずの
君の言葉は
ノイズ混じりで
聞こえない
忘れてしまった愛の言葉を
紡げぬキスで
目を覚まして
アズラエル
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