少年十字軍

2015/08/26 22:08


([み]5-1)少年十字軍 (ポプラ文庫)

皆川 博子
ポプラ社


羊飼いの少年エティエンヌは天啓を受け、子供たちを引き連れてエルサレムを目指す――。
13世紀フランスを舞台にした、史実を所々に含む物語です。とはいってもそれほど歴史ものだと身構えて読む必要はありません。

子供たちの思いや大人の思惑、社会の大きな渦や宗教的な思想がそれぞれに絡み合い、個々も集団も、あらゆる枠組みをぐしゃぐしゃに揺るがせながら動いていく様が本当に圧巻でした。
エティエンヌの物語ではあるのですが、彼は主人公というより、一つの指標のようでもあります。エティエンヌを一つの中心点として進むエティエンヌ以外の人々の話…と言ったほうが近いかと。

なぜなら、エティエンヌは最初から最後までずっと変わらないからです。環境がどんなに変わっても、エティエンヌの本質はいつも変わりません。献身的で自己犠牲を厭わず、刹那的で、少し人間離れした欲のなさ。エティエンヌはいつもそうなのです。変化するのは周りです。
私は、そういう意味ではエティエンヌが「選ばれた子」というのも事実ではないかと思います。何に選ばれた子なのかは分かりませんが。

サルガタナスが好きすぎた。


前へ | 次へ
アクセス制限機能充実
夢小説のDLove
- ナノ -