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「……――なんてことがおこるかもしれないので、触手系のモンスターには十分に気を付けること」


宿屋の女部屋で、くつろぎながらコリンは真面目な表情を作る。マナはあきれ顔でそれを見つめる。遊び人であるナナリーはにやにやとコリンの話を聞いてベッドに横たわっていた。


コリンとマナはナナリーは勇者の一行として、世界の異変を調査する旅をしていた。仲間は複数おり、男は四名、女は三名。計七名。宿屋は基本的に男女でわかれており、今夜もいつもどおり女だけの夜だった。


彼女たちには、男たちに秘密の趣味がある。



それは、妄想。




「なんでカインくんを例にするの」

「だってかわいいから……」


マナが咎めるような響きで問いかけると、コリンは笑って答える。ナナリーが「カインたんは天使だもんな!」とコリンに賛同すると、二人は手を取り合って共感し合う。

マナはナナリーとコリンを見てため息をつく。今夜も彼女たちの頭の中で、仲間の一人が汚されてしまった。


カインだけではない。ほかの三人もすでに凌辱済みだった。ただ、カインは見た目がかわいい。そのため、よくこういった下世話な妄想の餌食になりやすいのだ。

優しい僧侶の少年の顔を思い出し、マナは彼に同情の念を抱く。



「ほんと……妄想乙」



マナがそんな三人を見つめながら、静かな声音で呟いたのであった。 

END

※妄想オチですみません

 

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