プロローグ




トリップ何て所詮は妄想の中での出来事。
科学的にトリップとは有り得ない。
しかし、もしかしたら有り得るかもしれない、という曖昧なこと。
非現実的であって現実らしい出来事。
トリップとはそんなものだ。

けど私はトリップとはないと思う。
今までにだって一回もなかったのだ。
旧石器時代から今、平成時代を見直したって誰かが急に居なくなったなんてことは一度もない。
もしトリップというものがあるのなら私達人間は自由自在にトリップを堪能しているだろう。
私だって堪能している筈だ。
だけどトリップした人間なんて誰一人居ない。
逆に居たらそいつは宇宙人じゃないのかとさえも思う。
だって非現実的なのだから。

布団の中に潜り、顔を埋めた。
急に眠気が一気に襲い、私は何も戸惑うことはなく目を閉じる。
これが全ての始まりだなんてことは誰も知らず、少女は誰にも気づかれずに眠りについた。



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