何このハーレム




「みなさん、今日から私の補佐をしてくれるみなさんの新しい先生です。仲良くしてくださいね」


「えっと、春原菜緒です。主に休み時間を中心にみなさんと過ごします。よろしくお願いしますね」



笑顔を振りまきながらみんなに挨拶をする。
子供達は「はーい!!」と素直に返事を返してくれる。

前の席に座っている小太郎君に晋助君。
そして後ろの席で真面目に座っていた銀時君。
3人は勿論は目を丸くしてこちらを見ている。

自己紹介が終わり、私は後ろへと向かった。
途中、晋助君に裾を掴まれたけど、授業頑張れと言って裾を離してもらった。
私は後ろに行くと壁にもたれかかった。
銀時君がこちらに近づこうとしたけど飴玉をつり、我慢してもらった。
何だか悔しそうな嬉しそうな複雑な顔をしている。

見ていて面白いなぁ…。

授業が始まると辺りは松陽先生の声だけ部屋に響く。
勉強している3人を見ていると、ちゃんと真面目に勉強をしていた。
ノートもとっていたし、先生の話しも聞いていた。漫画とは違い、とても真剣だった。
やっぱ飴で釣って正解だったのかもしれない。


2時間たって、ようやく昼休み。
松陽先生は部屋を出ていき、この部屋には私と子供達だけ。
休み時間は1時間あるらしい。

きっと、授業時間が長かったからであろう。
私はこのまま動かず、子供達の安全を見守る。
それと、観察もかねて。
一人一人名前や性格などを覚えていかなくてはならないからだ。
だが、そんなことを思っていたのもつかの間、私の周りには子供達の群れがあった。

え、何か怖っ!!



「菜緒先生、あーそーぼー!!」


「鬼ごっこやろーよ〜」


「イヤだ〜!!隠れんぼしたいよ〜」


「花一匁(はないちもんめ)がいいー!!」


「僕もそれやりたい!!」



私を立ち上がらせたいのか、グイグイと何人かの子供が私の両腕を引っ張る。
流石に少し痛くなったから私は自分で一旦立ち上がり、そしてその場にしゃがんだ。
すると、服を掴まれ私の足元では何をして遊ぶのかの言い争い。



「わかったよ、じゃあみんなで花一匁しようか」



子供達は「え〜」とか「イヤだ〜」とか文句を言わずに、素直に「うん!!」と言って中庭へと移動した。
私も一緒に行こうとしたが銀時君達がいないのに気づき辺りを見渡す。

すると3人だけがポツンと真ん中にいる。
そして私を何度もチラチラと見ている。
一緒に遊びたいのだろうか。



「3人も一緒に遊ばない?」


「菜緒殿は先生になったのだな」



見事にスルーされた。
ジミに傷ついたが私は「そうだよ」と苦笑いをしながら言い返す。



「松陽先生に頼まれたんだ」


「じゃ、菜緒殿は先生だから菜緒先生だな」


「え、いや、いいよ別に。菜緒でも菜緒殿でも好きな呼び方で」


「じゃ、菜緒殿でいいや〜」


「………」



この子はここからこんなキャラになったかのだろうか。
みんなに分からないように顔を少し引きつらせていたら手に違和感があった。
右手にと左手、片方ずつに銀時君と晋助君に掴まれていた。



「菜緒、遊ぼうぜー」


「ズラいじめようぜ」



晋助君の言ったことに苦笑いをする。
すると突如、誰かが私を呼んだ。



「菜緒先生まだ〜?」



中庭からみんなが顔を出して私を呼んでいた。



「ごめん!!今行くよ!!」



私は銀時君と晋助君と小太郎君の手を掴み、中庭へと歩く。
そして、ギュッと握りしめ、3人を見て微笑む。



「みんなで遊ぼうか!!」



すると、3人も軽く微笑み、私の手を握り返してくれた。





(((菜緒先生こっちー!!)))

(((駄目、こっちー!!!)))

(……どっちでもよくね?)



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