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8

「フィン、お前ワタシがクモ抜けるとか考えてたか?」

「まーな。だってお前今回の件では割と無言貫いてるっつーか、いつもみたく好戦的だったりもしてねぇし。」

「まあ、正直暴れ足りない仕事とは思てるよ。けどま、団長もシンもそれを望んでるわけじゃないね。どちらかがそれを望めば暴れる方に乗たかも知れないけど。」

フェイタンにとっては団長の意思はシンファとは違う意味で大切な物なのだ。
「それを聞いて安心したぜ。まあけどシンが国を作るとしても普通の国にはならねぇだろうな。何しろ建国者が元大国の裏切り者じゃな。」

「まあそれはそうと思うね。けど、シンロンの手帳を見て思たけど、シンも多分典型的な仁君になると思うね。」

「国は人、ってヤツか?」

「そうね。」

たとえ建物が壊れようと、土地が蹂躙されようと、民さえ生きていれば国はまた建て直せる。国とは城や土地ではなく人、そこに住む人によって成り立っているのだ。という考え方だ。

今でも貧富の差が少ない大国の大半は過去の歴史を辿ってみても仁君が建国している事が多い。

全体がものすごく裕福なわけではないが、貧困に苦しむ民も少ないのだ。

その一方貧困家庭が多い国ほど、大富豪と呼ばれる人間が多い。
それは歴史に名を残してきた為政者が自己中心的な考え方で国を治めてきた結果、自身の周りや関係者のみがどんどん裕福になって行き、それ以外の民がないがしろにされてきた結果そのような国になった、というケースが多い。

「確かにシンなら自分のことより周りのことだけ考えて行動しそうだな。その結果周りの奴等な余計に心配かけるってパターンだな。」

「はは、ありえるね。ま、船長とかドクターは島に残ると思うし、その辺は多分大丈夫ね。」

「お前は後悔ねぇんだよな?この海域がある限り簡単に会いには来れないぜ?」

「ま、この海域もハーピーさえいなくなればただの霧の海域と言うだけね。」

「会いに来る気満々じゃねぇか。」

「当たり前ね。」

その一言が、フェイタンの感情を全て物語っていた。
海の果てとか霧の彼方なんて言葉はフェイタンの頭には全く無いのだろう。
おそらくすぐ隣、位の考えだろう。

「うへぇ。じゃ、将来的にはシンとお前のガキが国を背負っていくってことか?」

「は?いや、それはありえないと思うね。シンはクカンユでのことがあるから世襲制を嫌うはずね。自分が作た国で自分が選んだ部下や国民の中から後継者は選ぶはずね。」

「ほぉ、なるほどな。けどそれが1番良いのかも知れねぇな。血とか年功序列じゃなくて本当に優秀で、建国者の考えに近い奴を選ぶには。」

「そういうことね。それにシン自身が国を裏切てるから血が繋がてるからて裏切らないとは限らないと思てるね。」

そんな風に2人で交代の時間が来るまでシンファが作る国とはどんな国になるのだろうか、と話して過ごした。
フィンクスにしてみればフェイタンが幻影旅団を抜けないことがわかっただけでも有意義な時間だったし、フェイタンにしてみれば大切なものが1つ増えたと言うだけで何も変わることは無かった。


To Be Continued...


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