ずっと隣で
機械的な音が朝を告げる。
大きな伸びをし、体調は絶好調
時計をみると午前8時。
うん、10時までは時間は余裕だね
今日は付き合ってからサソリと初めてのデート。幼なじみだから二人で遊んだりはしたけど(家でゲームとか)、関係が変わってからは初めて
うきうきする心を抑えて飛び起きる
「うし、準備準備っ!」
「お待たせっ」
「……」
声をかけたのにだまってこっちを見てくる。そんなに見られると穴があきそうになる。
ちょっと恥ずかしい
「ど、うしたの?」
「……別に。っていうか、おせぇ。
俺が待たされんの嫌いってしってんだろ」
玄関の前で腕組んで寄っかかってたサソリ。
サソリは時間に厳しいってわかってたのに、
今の時間は10時30分。約束の時間まで2時間もあった。なんでこんなにかかったかは不明
「ごめん…」
「………。……まぁぽてこのその格好に免じて許してやってもいい」
格好…?
あ、もしかして今日はおめかししてるから…?
「ぷっ」
「な、んだよ」
だって、それってかわいいって思ってくれてるってことでしょ?遠回しにかわいいって言ってくれてるんだよね?
「んーん。なんでもなーい!」
「…あいかわらず変なやつだな」
私が笑いながら言うと少し照れくさそうにいくぞって歩き出した。
少し歩いてるとサソリの綺麗な手。
「え?」
「……」
これって手繋ぐってことだよね…
「早くしろ」
「え、あ、うん」
ちょっと控えめに握り返せばぎゅっと力強く繋いでくれる。こういう時、男の子なんだなって思う。意外と大きい手に覚にもきゅんとした。
なんとなく、ぎゅっと握ると「なに」って
ぎゅっと握りかえしてくれる。少しだけ口角をあげて。
「本当…かなわないな…」
ぼそっと聞こえないくらいの声で呟いた
「なに笑ってんだよ」
「え!?笑ってた?!」
「ニヤニヤしてたぞ気持ち悪ぃ…」
ひ、ひどい…
まぁ確かに一人でニヤニヤしてたら気持ち悪いけどさ…
なんか悔しいな、私だけうれしいみたいじゃん…!
こうなったら腕に巻き付いてやる
「っ………。」
驚いた顔を一瞬したもののいつものポーカーフェイスに戻る
「なんで黙るのー」
「別に」
「ふーん」
「気持ち悪いニヤニヤしすぎだ」
…サソリ照れてる。かっこいいしかわいい。ずるい。
なんだか気持ちが溢れ出てきて、あぁもう本当好きすぎてどうにかなっちゃいそうって、そう伝えたら、「馬鹿かお前は」って首の後ろに手をまわした。
それ、照れてるときの仕草なの自分で気づいてないのかな。まぁこの調子だと気づいてないんだろうな。
サソリ自身も知らない私だけの秘密。
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