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01



「チチ、行ってくる」
「気ぃつけるだよ、悟空さ、悟飯ちゃん悟宙ちゃん」

私のお母さんとお父さんは仲が良い。
お母さんは所謂教育ママというやつで悟飯は勉強、そして女の私は料理やマナーなどを頑張っている。
私としては悟飯と一緒に山で走り回って遊びたい、でもお母さんは女の子が「そったらことしちゃダメだ」と言って聞かない。
そんな熱いお母さんだが私は大好きだ。

そして黒髪の変わった髪型の私のお父さん・孫悟空。
お父さんはすっごく強いんだ、私は良くお父さんと遊びという名の修業を悟飯とたまーにして貰っているが私達には手が届きそうにない程にお父さんは強かった。
だから私は武闘家になりたいってお母さんに言ったけど、やっぱりお母さんは許してくれなかった。
悟飯は将来学者さんに、そして私は将来良いお嫁さんになるんだぞと言われて育ってきたのだ。

「お母さん、行って来ます!」
「行って来ます!」
「んだ」
「じゃあな、チチ」

そう言ってお父さんは私と悟飯を両手で軽々と抱えて筋斗雲と言う黄色い雲に座り込む。
この筋斗雲と言う雲は心が清い人しか乗れないとお父さんは言っていた。
お父さんもお母さんも悟飯も乗れるから皆心が清いんだなぁ。
まぁ4歳なので私も乗れるが。

お父さんはワクワクした様な顔で亀仙人と言う人の家に向かう。
その亀仙人って言う人はお父さんのお師匠様らしい。
私はお父さんにその亀仙人さんはお父さんより強いの? なんて聞いてみたりしたけど濁して話してはくれなかった。

それにしても空を飛ぶのはすごく気持ちが良い。
私は頬を撫でる風を感じながら鼻歌を歌った。
それを聞いた悟飯も鼻歌を歌って、お父さんはそれをニッコリとした顔で見ていた。

「さぁついた!!」

そう言ってお父さんは私と悟飯を両脇に抱える。
ここが亀仙人さんのお家、ピンク色の壁に赤い屋根。
カメハウスと英語で書かれた大きいロゴが目に付く。
私は緊張している悟飯を見て少しクスリと笑った。

「悟飯緊張してるの?」
「うーだって初対面なんだよ?」
「はは、怖い人は居ないさ」

実を言えば私も緊張している。
礼儀とか敬語とかは躾けられてきたからわきまえているが、私とて4歳。
緊張するものはするのだ。
そう思いながら深呼吸をして、胸を張ってドアを見つめた。

「孫くん!!」
「悟空!!」

そう言いながらドアを開けて出てくる二人のお父さんのお友達。
一人は紫の髪ですっごく綺麗なおねぇさん、もう一人の人は鼻がない小柄な男の人。
……この人がお父さんのお友達、優しそうな人だなぁ。
私はその二人を見て少し緊張していた心が和らいだ。

それに続いて亀仙人と呼ばれるすごく高齢のおじいちゃんが出てくる。
こんなに年を取っているに強いだなんて、すごいおじいちゃんなんだな。
すると私達の事が目に入ったのか、二人が私達の事をお父さんに問いかける。

「オラの子だ」

お父さんがそう言うと、三人はすごく驚いた顔をして叫んでいた。
そんなに驚く事なのかなぁ?
でも前々からお母さんにお父さんは恋愛にとっても疎い人だった、という事を聞かされていたためがあったからか何故か納得出きた。

「そうだよ、変か? そら、挨拶」
「こ、こんにちは」
「こんにちは!」
「は、はい」
「こ……こんにちは」
「息子が孫悟飯、娘が孫悟宙。双子だ」

良かった、上手に自己紹介できた!
私は噛んでしまって顔をりんご色に染めている隣の悟飯をふふっと笑いながらチラリと見た。
……お兄ちゃんながら可愛い。


私は不覚にもそんな事を思ってしまった。

「ご、悟飯くんと悟宙ちゃんは何歳かな?」
「「4さいです」」

二人で手の指を4にし、声をそろえていう。
するとおねぇさんはお父さんの子供なのに礼儀正しいと言った。

でも事実だなぁ、お父さんってば食べるときはすっごく散らかすし。
誰にでも遠慮なくタメ口だし。
そんなお父さんの光景を頭の中で浮かべながら、内心クスリと笑った。
それにお母さんがうるさいもんね。

そのおねぇさんは私達の尻尾を見て、すごく驚いていた。
やっぱり変なのかなぁ、お母さんやおじいちゃんには生えてないし。
パッと見この人達にも尻尾らしきものは生えていない。
……たまに自分が皆と違うことを意識してしまうが、お母さんとお父さんは気にすんなと笑って言ってくれた。

「な、なぁ悟空この子達もお前みたいに強いのか!?」
「それがなぁ……、かなりの力は持ってると思うんだけどさぁチチのやつオラが悟飯たちを鍛えてやろうとすると怒るんだ……」

お父さんはしょんぼりとした様子で言う。
でも私もお父さんみたいに強くなって、お父さんみたいにお父さんと戦いたいと思っている。
だからこそ、鍛えて欲しいのにお母さんは許してくれない。

私は女の子だから顔に傷がついたらどうすんだ、って。
私は別に顔に傷がつくくらい良いのに、って反撃しても全然聞いてくれない。
お父さんが説得しようとしてもお母さんにはすごに折れちゃうし……。
ある意味口喧嘩ではお母さんの方が強いのかも、なんて私の頭上で飛び交うお母さんの強気な声に仲が良いなぁーなんてことの原因は私なのに笑っていつも怒られる。
でもそんな日常が好きなんだ。

「はっはっは、あのはねっかえり娘がなかなかの教育ママさんじゃったわけか」
「ねぇいま気づいたんだけど二人の帽子についてるのドラゴンボール……!?」

おねぇさんは私達と目線を合わせるようにかがみながら言った。
悟飯のはひいおじいちゃんの形見の四星球がついている。
私は三星球だから、悟飯にいつもずるーい! と言って喧嘩を仕掛けているがいつもお母さんに「女の子がそんなことするでねぇ、はしたねぇだ!」と言って止められる。
……私もつけたいなぁ。

だから私はわざわざお父さんが探してくれた三星球を悟飯とは色違いのピンク色の帽子につけている。
服はお母さんが着ているようなチャイナ服で、お母さんとお揃いの服だ。
服の真ん中には孫という字を赤い丸で囲っている。

お父さんは亀だけど、なんで亀なの? と言う質問を前にしてみたところお父さんは「オラは亀仙流だからな」と言った。
亀仙流ってなんだろうって思っていたけど、おじいちゃんが教えてくれた。
おじいちゃんもお母さんもお父さんも亀仙流らしい。
すっごく強い皆を鍛えたその亀仙人さんはすごこ強いんだろなぁってどんな人なんだろうって想像してたけどおじいちゃんでびっくりした。

すると突然お父さんがびくりとした。
お父さんの足にピッタリとくっついていた私達はすぐに違和感を感じた。
何かすごく嫌な予感がしたんだ、たがその予感は嫌にも的中してしまった。

すごく強い人が来る……何故か私は瞬時にそう思った。
皆で空を見上げると、何やら人影が見えた。
嘘、お父さんみたいに空が飛べるんだ!

突然現れた人はすっごく目つきの悪いお兄さん。
そして足首にまでつくほどの長い髪、でも変な格好しているなぁと緊迫しているにもかかわらず場違いなことを考えてしまった。
それにこのお兄さんの目についている緑の変な機械。
何故かは分からないけどすっごく私の心がくすぐられた気がした。

そのお兄さんは突然喋り出した、お父さんの事をカカロットと言って。
カカロットってなんだろう、そう思いながらその人の話に耳を傾ける。
それからその人は色んなことを話した。

お父さんのそのお父さんのこと。
人類を死滅する事とか、まだ4歳の私の頭脳は追いつかなかった。
この人は何を言っているんだろう、そのお兄さんの私達を見る目はすごく冷たい。

私の心すごく嫌な気持ちでいっぱいになった。










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