小説2 | ナノ


▼ AfterWord

 K桐仁氏演じる「−初恋」吉村夢でした。
 最近創作に関して思うところがあって、人物や構成を一度徹底的に考えてやってみようと思いました。

 そしたらまるまる一ヶ月かかりました。
 死ぬかと。

 舞台でかかってたから執筆BGMにしたシャンソン数曲、しばらく聞きたくない。


・「−初恋」という舞台。
 ゲイしか住んでいないアパートという、ネタとしか思えない設定ですが、実はまじめに良いおはなしでした。
 人情劇というとちょっと古臭いか。雰囲気があったかくてやさしいのです。
 このアパートの住人になりたい。

 題名が題名ですからみんな恋心を抱いていて、それがまた設定も相まって切ない。
 私の好きな、ラブラブとまでいかない微妙な感じが多くって、色んな場面できゅんきゅんしていました。


・そんな中で唯一ひとり、恋愛がらみが無かった吉村さん。
 キャラ立ちも激しく、けっこう活躍していたにもかかわらず。

 あっけらかんとした彼のキャラクターがすっかり気に入っていた私は
「じゃあこの人の恋バナやるとしたらどんなのよ?」
 とかぼんやり考え始めたのでした。

 彼は登場人物の中で珍しく、まっすぐ前を向いている人でした。
 自分のコンプレックスに対し開き直って、堂々とふるまいます。
 で、居場所を作ろうとぐいぐい進んでいくのです。
 その積極性と明るさが、舞台の上で輝いておりました
 (笑いとシリアス両方の意味で)。

 そういう人は、前に進もうとする他人に対しても後押しをしてくれるのかもしれない。
 今回はそんな感じのお話でした。


 イロモノ設定にも負けず、お読みいただきまことにありがとうございました。


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