文章修行家さんに40の短文描写お題

※ 捏造・自己解釈や百合・暴力表現有

21.神秘/轟炎司
末娘の目には既視感があった。美しい顔に反して憎悪に染まる瞳が俺を見つめる。一体何処で見たのか、すぐに分かった。娘の目は俺と同じだ。

22.噂/トガヒミコ
知ってるよと彼女が言う。血を啜っているのを見られたらしい。どう殺そうかと考えていたら抱き締められた。私も食べて。あ、同類だった。

23.彼と彼女/爆豪勝己
かっちゃんは彼女に優しい。同じ帰り道。彼女が微笑むとかっちゃんもご機嫌。彼女が出久と僕を呼ぶと…ああ、わかりやすいね。かっちゃん。

24.悲しみ/轟炎司
家を出たと聞いていた。白い掌が迷いなく向けられる。迫る氷結の冷気を感じながら長女の顔を見ると泣いていた…俺は未来を摘んでばかりだ。

25.生/死柄木弔
彼女は哀れで可愛い。縋り付く体を蹴飛ばすと、体を震わせる。私を一人にしないで。彼女に求められる瞬間が、堪らなく愛おしい。

26.死/サー・ナイトアイ
冷たくなった彼は満足気だった。そんな彼の姿に苛立ちが込み上げる。もう彼が私に皮肉を言う事もない…私はただ彼に生きて欲しかったのに。

27.芝居/ホークス
大丈夫だからと彼女が笑う。彼女の手は戒めるように固く握られていた。嘘をつく時の癖だ。知らぬふりして俺も笑う。固く手を握りながら。

28.体/天喰環
ビオラにデイジーにサザンカ。彼女が好きな花を無理矢理食べた。手のひらいっぱいに花を再現すると目を輝かせて笑う。その顔が見たかった。

29.感謝/轟焦凍
今日の夕飯はそばだった。風呂もいい香りがしたし、布団まで洗い立ての匂いがした。何かあったかと尋ねると彼女は一言。いつもありがとう。

30.イベント/八百万百
彼女に手を引かれて未知の場所に飛び込む。この瞬間が堪らなく好き。大勢の人集りに揉まれても、彼女の隣で笑える時間がとても大切だから。

31.やわらかさ/轟焦凍
彼女の髪は柔らかく、触れる度花の香りが掠める。結っていると、ふと手がうなじに当たって彼女がか細い声を漏らした…何の拷問だ、これ。

32.痛み/ホークス
結婚したの。笑う彼女は昔のままで指輪など似合わない。誰の物にもならないと思っていた。子供じみた感情を殺し、笑って祝福の言葉を吐く。

33.好き/切島鋭児郎
彼女が下ろした俺の髪を撫でる。そのままでも格好良いのに。何気なく言った彼女の言葉に反論したけどさっきから心臓が煩い…やっぱ好きだ。

34.今昔/切島鋭児郎
髪を染めてから初めて幼馴染に会った。ぎこちなく挨拶するが返事が来ない。見れば顔を赤くして固まっていた…案外意識させるのは簡単だな。

35.渇き/爆豪勝己
アイツとデクが背を並べて歩く。その光景が大嫌いだ。アイツを引っ張ると、アイツがデクまで引っ張る…幼馴染なんて、甘ったるすぎんだよ。

36.浪漫/緑谷出久
僕の夢を彼女は格好いいと言った。個性が発現したら努力の成果だと笑う。怪我をしたら思い切り叩かれた。そんな彼女を守るのが僕の使命だ。

37.季節/耳郎響香
彼女は寒い日ウチのコートに手を入れる。くっついてくるのが可愛くてポケットがあるコートばかり買っちゃう。だから冬がずっと続けばいい。

38.別れ/轟焦凍
彼女がするりと離れた。一緒に居ると苦しいのだと言う。零れ落ちた涙を掬いとると、手を払われた。それでも愚かな俺は彼女に手を伸ばす。

39.欲/トガヒミコ
うっかりを装って彼女の指に傷を作った。お見通しだったようで、彼女の指が唇をなぞる。''誘ってます?''尋ねたら彼女は笑って頷いた。

40.贈り物/爆豪勝己
気紛れで花束を買った。渡すなり明日雪でも降るのかなと苦笑で言われ、思わずうっせぇと怒鳴り返す。嬉しがってんのくらいわかんだよバカ。

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20200129〜20200203

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