幸せの作り方 [ 20/27 ]




※優しい虎徹さんはいません
精神崩壊バニー





『…好きです、好きなんです…。すいません…忘れて下さい…好きです、虎徹さん…。すいません。』
そういって泣きそうな、いや泣いていたかもしれないバニーを無理矢理押し倒した。目を見開くバニーに俺はただ一言呪いのように告げてやった。『俺の事好きなら、何でもできるよな?』それが全ての始まり。
止めて下さい。すいません。忘れて下さい。貴方とこんなことをしたいわけじゃなかった。僕はただ、貴方を…。そういって必死に俺の下でもがくソイツをベットに俯せに押し付けた。あぁ、こいつは背中も綺麗だな。これなら…
『なぁ、バニー。お前の声萎えるし、うるさいから黙って?』
俺は事あるごとに飲み誘うふりをしては、バニーを家に呼んだり逆に押しかけた。はたから見れば異常にうつったかもしれない。家につくと、バニーは酷く脅えたように体を震わせ、譫言のようにごめんなさい…。虎徹さん、僕は…といって口を紡ぐ。その先が気にならないわけじゃなかった。しかし、わざわざ調べるようとは思わなかった。コイツを抱ければよかった。『本当に、体は最高だよな』そう言ってやれば、バニーは顔を歪めて口を開くが、何も言わずに黙り込む。ちょうどいい…やかましく、文句を言われるのは面倒だ。煩い売春婦より都合のいいバニーは最高の相手だった。
ある日のことだった、少しバニーの様子がおかしかった。いや、違う。正確には、おかしくなくなったのだ。今まで俺への恐怖や何やらでどこかぎこちない対応が、まるで何もなかったようになおった。『あの日』の前に戻ったようだった。何故だか俺はそれが気に入らなかった。俺はまたバニーを飲みに誘った。
『あ、そういえば虎徹さんが前気にしてた日本酒手に入ったんです。今日はそれをあけましょうね』
バニーはそういって俺をすんなりと部屋に通した。
『…お前、俺に媚び売ってるわけ?』
急な態度の変化にそう言ってやると、バニーはキョトンとした顔をした。
『日本酒は嫌ですが?』
バニーは少し考えるこむように日本酒を眺めたかと思うとパっと顔を上げて嬉しいそうに『あ、わかりました!ちょっと待って下さいね』とだけ言った。バニーは手にした日本酒を置いて服に手をかけた。何時もシワが…と言うくせに、革ジャンを脱いで無造作に床に投げる。ベルトに手をかけて何の迷いもなくバニーは服を脱ぎはじめ、あっという間に全裸になったバニーは嬉しそうに足元に座り込んだ
『これでいいですか?シたいんですよね?』
まるで、褒めてくれと言わんばかりの口ぶりだった。なおった何てそんなことはなかった。バニーはとっくにもう…
『虎徹さん?あ、もしかして、抵抗したほうが良かったですか?前嫌がったら可愛いって言って下さいましたよね?僕は何したらいいですか?』
『虎徹さん、僕は貴方と幸せなりたかったんです。だから虎徹さんが喜ぶ事をしますね!貴方が幸せなら僕も幸せです!虎徹さん、何をしたら虎徹さんは喜びますか?前みたいに自分ですればいいですか?あ、それとも、虎徹さんのしゃぶればいいですか?』
虎徹さん、僕は…。今更ながら、バニーがそういって口を閉じて飲み込んだ言葉が何だったのか分かった。分かったが、きっと


俺の知っているバニーはもういない…。

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