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バニーが家に届いて、その日はケージじゃなくて虎徹の布団をかりて寝た(虎徹はソファー)。バニーが朝目を覚ますと時計の針は10時すぎを指していた。虎徹は出勤してて既に家にはいない。部屋は静まり返り、どこか物足りなさを感じさせる。
『おじさん…?』
バニーが寝ぼけながら虎徹を探す。しかし出勤した虎徹がここにいるはずもなく。バニーはふらふらとリビングまで歩いていく。リビングのテーブルに何か書き置きのようなものを見つける。

仕事にいってくる。
すぐ帰るから、てきとうにそこらへんの食べとけ。
外には絶対出るなよ。

いない事に気づいて、急に寂しさが込み上げバニーの瞳に涙がじわりと浮かぶ。
『外には絶対出てはだめ…』
これじゃ、合いにもいけない。なんだかんだいって、バニーは飼い主である虎徹に甘えたかったのだ。 寂しくて仕方ないので、そこら辺にあった虎徹のシャツを掴んで、もう一度布団に戻って虎徹の匂いに包まれながら目を閉じる。
『あの人のにおい…』

虎徹が帰宅すると、バニーはすぐさま飛び起きて抱き着いて擦り付く。
『どうしたの、お前?昨日とは、大違い』
虎徹が茶化すように聞くと『おじさんが悪いんです!』とバニーは口を尖らせた。
『あのなー、俺はおじさんじゃないの!』
『…知りません、そんなの』
『ダッ!言いたいこと、あるならハッキリいえ…ば………えっ、バニー泣いてる?』
『…………泣いてません』
『嘘つけ、ほら顔あげろって。どうした?』
『…』
『言わなきゃわかんねーだろ?』
『……貴方が…いなくなるから』
『えっ』
『だって…起きたら、貴方がいないから』
『あー…兎だから…』
『・・・・?』
『寂しいと死んじゃうの?バニーは?』


ここまでで力尽きた。

おまけ

『おじさん!』
『…』
『?おじさん』
『…』
『おじさん!』
『…』
『聞いてます!?おじさん!』
『なぁ、お前さ』
『やっと返事ですか。なんですか?』
『何で、おじさん呼びなの?』
『べ、別にいいじゃないですか』
『やだ、だーめ。虎徹さんって呼んでみ』
『い、嫌です』
『バニー』
『っ!?』
『命令だ』
『…………………こ…………こて…つ、さん…………』
飼い主に『命令』と言われると逆らえないケージバニー。真っ赤になりながら消え入りそうな声でいうバニーに『いい子だ』って笑って頭なでる虎徹さんがぐっぽぁァくぁwせdrftgyふじこ

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