16 [ 16/27 ] バニーが家に届いて、その日はケージじゃなくて虎徹の布団をかりて寝た(虎徹はソファー)。バニーが朝目を覚ますと時計の針は10時すぎを指していた。虎徹は出勤してて既に家にはいない。部屋は静まり返り、どこか物足りなさを感じさせる。 『おじさん…?』 バニーが寝ぼけながら虎徹を探す。しかし出勤した虎徹がここにいるはずもなく。バニーはふらふらとリビングまで歩いていく。リビングのテーブルに何か書き置きのようなものを見つける。 仕事にいってくる。 すぐ帰るから、てきとうにそこらへんの食べとけ。 外には絶対出るなよ。 いない事に気づいて、急に寂しさが込み上げバニーの瞳に涙がじわりと浮かぶ。 『外には絶対出てはだめ…』 これじゃ、合いにもいけない。なんだかんだいって、バニーは飼い主である虎徹に甘えたかったのだ。 寂しくて仕方ないので、そこら辺にあった虎徹のシャツを掴んで、もう一度布団に戻って虎徹の匂いに包まれながら目を閉じる。 『あの人のにおい…』 虎徹が帰宅すると、バニーはすぐさま飛び起きて抱き着いて擦り付く。 『どうしたの、お前?昨日とは、大違い』 虎徹が茶化すように聞くと『おじさんが悪いんです!』とバニーは口を尖らせた。 『あのなー、俺はおじさんじゃないの!』 『…知りません、そんなの』 『ダッ!言いたいこと、あるならハッキリいえ…ば………えっ、バニー泣いてる?』 『…………泣いてません』 『嘘つけ、ほら顔あげろって。どうした?』 『…』 『言わなきゃわかんねーだろ?』 『……貴方が…いなくなるから』 『えっ』 『だって…起きたら、貴方がいないから』 『あー…兎だから…』 『・・・・?』 『寂しいと死んじゃうの?バニーは?』 ここまでで力尽きた。 おまけ 『おじさん!』 『…』 『?おじさん』 『…』 『おじさん!』 『…』 『聞いてます!?おじさん!』 『なぁ、お前さ』 『やっと返事ですか。なんですか?』 『何で、おじさん呼びなの?』 『べ、別にいいじゃないですか』 『やだ、だーめ。虎徹さんって呼んでみ』 『い、嫌です』 『バニー』 『っ!?』 『命令だ』 『…………………こ…………こて…つ、さん…………』 飼い主に『命令』と言われると逆らえないケージバニー。真っ赤になりながら消え入りそうな声でいうバニーに『いい子だ』って笑って頭なでる虎徹さんがぐっぽぁァくぁwせdrftgyふじこ [*prev] [next#] |