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高校に入学し、それなりに平凡な日々を送っていた。
私、先導なまえは一般的には重いといわれる過去を持ち今は従兄妹の家にお世話になっている。
小学生時代にいわゆる母子家庭で母と細々と暮らしていた。唯一の楽しみは近所の公園で放課後に遊ぶカードゲームだった。デッキだってある程度持ってたしそれなりに遊んでたし、それにいつもファイトしてくれる男の子が私の初恋だ。
近所には従兄妹の家だってあったし、母子家庭といっても充実した生活はしていたとは思う。だけど、中学に上がる前に母が病に倒れ、叔母のシズカさんと協力して生きてきたけど残念ながら私には両親がいなくなってしまった。
身近で見守ってくれていたシズカさんの好意によってお世話になっているのが今の現状。シズカさんは私の意志を尊重してくれるし、いい思いも十分させてもらってるので現状で充分。恩返ししてもしきれない気分なんだよね。
従兄妹は一つ下のアイチくんと小学生のエミちゃんというのだけれど最近カードゲームにハマっているらしい。
ヴァンガード。一番流行っているらしいと本屋さんでよく合う友人(たまに小説をお勧めしあう程度の仲)に教えてもらった。
昔はカードゲームはいろいろやったな・・・としみじみ思いながら帰路につく。

「ただいまー」
靴を揃え部屋に向かおうとするとアイチが話しかけてきた。
「…あの、なまえちゃん、今度いつも行ってるカードショップの大会に出ることになったんだ…だから、その、なまえちゃんに、応援、来てもらいたいなって、だめかな…?」
あの、アイチがショップ大会に出るなんて思ってなかったからだいぶ驚いたけどここ最近すごい成長してるなって実感した瞬間でもあるし暇だし
「…いいよ、時間は?」
了承の返事をしてしまった。エミちゃんも行くみたいだしまあ私は見守っているだけでいっか、と軽い気持ちでショップ大会当日を迎えることになった。
ただ応援しに行くだけだったのにこれ以上充実した日々を迎えることのきっかけになるなんてその時は思っていなかった。

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