私はホグワーツ魔法学校に7年もの間通うことになった。
兄も例外なく手紙を受け取った。
ここでは兄弟対等なのだ。

「みょうじ家に恥じぬよう、勉学に精進するのですよ?」
「気楽に学生時代を過ごせばいいさ、わかったね?なまえ、アルズ。」
両親は互いに正反対のことを語り特急に乗る私たちを見送った。

特急が発車し、両親も見えなくなった頃、兄アルズと私二人きりのコンパートメントに訪ねてきた者がいた。

「すみませんがここに二人座れるスペースは残っていますか?」
「・・・なまえ?」
「ああ、こんな場所でよければ座ってくれ。」
兄は私のことを当主としてたててくれるので実質このコンパートメントは私の権限でどうとでもなってしまう。

「すまないが君たちは新入生だろうか?」
私が問えば彼らは急ぎ驚き答えた。
まずはコンパートメントが空いているか聞いてきた少年が答えた。
「私はオリオン・ブラックと申します。以後お見知りおきをおねがいします。」
(なるほど、もしや本編にいたシリウス・ブラックの親類か。)
次に元気そうな少年が挨拶をしてきた。
「シグナス!シグナス・ブラックと言う!よろしくな!」
(また、ブラック、だと・・・!)
神妙な私を横目に兄は自己紹介を始めた。
「俺はアルズ・みょうじ。こっちは双子の弟のなまえだ!兄弟ともどもよろしくな。」
そんな兄を見つめつつ私はブラックに低くお辞儀をした。

しばらく経つとシグナスとアルズは意気投合し、ずっと話していた。
オリオンと私は静かにそれを見ていた。
「いつもシグナスはああなのだろうか?」
「そうですね、大体あのようなテンションでいますよ。」
そう答えたオリオンを見て微笑みながら
「ああいうのは見ていて飽きないな。」
短い会話を交わしただけだ。それなのに暖かい気持ちになっていった。

時計を見るともうそろそろ魔法学校につく時間となっていた。
「ブラック、アルズ、もうそろそろ学校に着くころだろう。着替えたほうがよさそうだ。」
その一声で皆、着替えはじめた。
着替えてる途中にふと、思ってしまった。
ああ、きっとブラックたちはスリザリンに入ってしまうだろう。
この短い時間で兄よりもブラックたちと過ごす日々に興味が出てしまったのだ。


その時決めた。今までこの世界に生まれ変わってから欲が無かったが今回ばかりは私はわがままに動かせてもらおう。



___例え兄と違う道に行こうとも

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