『…?』
どこかで見た覚えがある。
だが、何処でだろうか?
長めの髪を鬱陶しそうに思わず大して気にも留めていないようで、適度に手入れされた髪を惜し気もなく下ろしたままに、そこから覗く鋭い双眸。
「彼女が隠密行動を得意とするアルエ、か…」
ちらりと後ろに侍らせた部下を見ながら言う。
「はい。此れまでに隠密行動を失敗した経験は無いと思われます」
「あ…っ」
アレクセイの後ろに居た人物の声を聞き、僅かに反応を示すアルエ。
聞き間違えるはずがない。
「フッ、お前が居なければ今回の隠密も成功していたのだろうな…シュヴァーン」
見覚えのある顔