レイヴン同様、中に収まりきれなかった分が体外に溢れ、シーツに染みを増やした。
「やだあ…溢れ、てる…」
脚の付け根から溢れるそれを掬い、アルエが泣きじゃくる。
「勿体ないな」
シュヴァーンがそう言いながら、溢れたそれを掬うと、アルエの口へと含ませた。
「んぅっぐ、うぇえ…」
口の中に広がる苦みと青臭さに嫌でも噎せてしまう。
「えげつないの…」
やれやれとレイヴンすらも呆れ顔になる。
「飲みなさい…そう、イイ子だ」
言う通りに従うアルエに笑みを浮かべる。
「あれが自分だったって思うと、ゾッとするわ…」
――皆に慕われる騎士様が鬼畜野郎だったなんて、ねぇ…?
ぐったりと横たわるアルエと、更に茶々を入れ始めるシュヴァーンを見つめ、溜め息をつくレイヴンだった。
――あれ…俺、‘シュヴァーン時代’にあんな事をしたことがあったかしら…。
過去を振り返り、思い出そうとするが、記憶にはなかった。
(つーか、そもそも何で俺様分裂してるわけ?)
そして、自分達がいつ二人に分かれてしまったのかも、その理由もわからないまま、レイヴンは再び行為に及んでいる二人をぼんやりと眺めながら思案していた。
現実を振り返る