「ください…仲達様の、全部…っ」

その言葉が引き金となり、荒々しく腰を打ち付け始める。水がかき混ぜられるような音と、肌がぶつかる音だけが響くが、それすらも耳には入らず、行為に夢中になる。

「んあっふ、や、あぁぁっ!」
「…っ」

蒼梛が達し、内部をきつく締め付けられ、それによって司馬懿も限界を超えて蒼梛の中へと吐精した。
中に広がる熱を感じ、蒼梛の身体がふるふると震える。

「ちゅうたつ…さま…」

蒼梛はそれだけを呟くとぐったりと横たえ、そのまま眠ってしまった。

「蒼梛」

穏やかな表情で眠る蒼梛の頭を優しく撫で、司馬懿は蒼梛の寝顔に魅入っていた。

「…愛している」

眠ってしまった彼女に届いたかどうかはわからないが、司馬懿は蒼梛の耳元でそう囁き、直後に軽く苦笑を浮かべた。


――愛を囁くことの方が余程気恥ずかしいがな。



ください、全部

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