Junior Sweet






「ん……っ」


ベッドの端に腰掛けた真子の膝の上に抱き上げられて、深く重ねられる唇。

キスの合間に目を開けると、滲んだ視界に映るのは、どこか意地の悪い笑みを浮かべて あたしを見下ろしている真子。


「昔は、ガキにキスされて泣きそうな顔しとったのにな。今は……」

「……今は、何?」 

唇の離れた隙に、空気を求めて大きく息をつく。

「もっとして欲しい、って顔しとるで」

そう言ってニヤリと笑う真子。


「……そうかも」

くいっ、と真子のネクタイを引いて、その顔を引き寄せて。舌先で、真子の口の端をぺろりと舐める。

一瞬、驚いたような表情を見せたものの、真子は あたしの顔を見て ククッと笑い声を立てる。

「無理しなや?積極的な砂南も魅力的ではあるけどな……顔、真っ赤やんか」


……真子は、いつまでたっても あたしを子供扱いするんだ。でも……。

「無理じゃないよ……ねぇ。…………して?」


上目遣いで呟いた科白に真っ赤になるのは、今度は真子の方で。

「……阿呆」

掠れた声で呟くと、赤い顔を隠すためにか あたしの首筋に顔を埋める。



……とりあえず、一勝?


気付かれないよう、真子の背中に回した手で小さくガッツポーズをつくって。

首筋から胸元へと滑る唇の感覚に身を委ねるべく目を閉じた。



(2010.02.24. up!)



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