Chocolate Panic






ぱきん、と背後で音がした。

振り返ると、板チョコを手にした砂南。無造作に銀紙を剥いたチョコレートをくわえ、そのまま端っこを割ったらしい。


「ん」

チョコの破片をくわえたまま、こちらに唇を突き出す。

「お、おい……」

思わず、どぎまぎしている俺を見て、ニッと笑うと、くわえたチョコをぱくりと食べてしまう。


「ジョーダンだって。ちゃんとしたのあげるから、まってて……」

と、残りの板チョコから、さらに銀紙を剥がし、それをぱきん、と半分に割る。


「……いや。俺、これでいいわ」

砂南の肩に腕を回して引き寄せて、唇を合わせる。

そのまま舌を押し込むと、砂南の口の中に残る甘い味を残らず舐め取った。


「ごっそさん」

唇を離してニヤリと笑う。

ついでに、砂南の上唇についたチョコのシミまで舐め取って。


両手を口に押し当て、真っ赤になって その場にしゃがみ込む砂南。

上目遣いの涙目で、恨みがましく俺を見ている。


「……真子、再会してから意地悪になった」

その言葉にクスッと笑うと、砂南の前に跪いて、そっと背中に手を回す。

「……そうか?メチャメチャ優しゅうしとるつもりやねんけどな」

そう耳元で囁くと、シャツの裾から手を入れて素肌を撫でる。

悪戯ゴコロを起こして背中のホックをぷちん、と外すと、途端に硬直するカラダ。


「……続きはベッドがええよな?」

俺の肩口に顔を埋める仕草を『YES』の意だと解釈して、そっと小さな身体を抱き上げた。



(2010.02.01. up!)



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