爆丸ss | ナノ


Japanese. (エース×シュン)

2010/12/27 17:39


「今すぐにでもお前を食らいたいぜ」

何の前置きもなくエースが突然口にした。
この場にはエースとシュンの二人しかいないが、マルチョ宅の廊下である。誰がいつ通ってもおかしくない。

「は?」
「だから今すぐここででもお前を…「お前は時と場を考えて発言するべきだ」
「ならば俺の部屋で「何度も言わせるな」
まだエースが何か言っているが無視する。

しばらく隣でよくわからん言葉とわかりたくない言葉が乱舞していたのが急に静かになった。
別に気にすることもなく先程と同じようにスルーを決め込んでいたシュンの両肩をいきなりエースがつかみ、二人が向かい合う。
そしてエースが真剣な顔をして言い放った。

「子どもは野球チームが作れるくらい欲しい」

「は、」
何故こいつが野球を知っているのだろう、ああダンの入れ知恵か、それともバロンか。
「その前に式を挙げよう」
「お前の葬式のな」
「当然お前がウェディングドレスで「いい加減日本語で喋ってくれないか」
じゃないと俺は(着るつもりはないが)ウェディングドレスでなく喪服を着ることになる。
「日本語で喋っているが…ならシュンの言う日本語を教えてくれないか」
「どうやって…「手取り足取り…もとい口取り舌取り」黙れ」
肩を掴むエースの手を振り払う。

「なんだ、じゃあダンにでも習うかな」
諦めたようにエースが言う。
「…勝手にすればいい」
シュンは感情を込めず言い返しくるりと後ろを向き一人で歩きだす。
少し冷たくしすぎたかという後悔と、本当にダンの許へ行ってしまうんじゃないかという不安に駆られる。

「シュン、」
後ろからエースに抱きしめられる。

「冗談だ」
「…不安にさせるな」
「悪かった」

今はもう少しこのままでいたいと思う。
誰もここを通らないことを祈るばかりだ。









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