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青と青 (風吹)

2010/08/04 23:29



暑い日は無性に冷たいものを食べたくなるもので、アイスが食べたいと呟いたら吹雪が後ろから抱きついて来た。
僕はかき氷食べたいな!なんて言われたときに俺はそれを断る術を知らなかったし、断る気にもならなかった。


だからこうして吹雪と2人でかき氷を買い、食している訳で
最初は良かった。
冷たくて美味しいし、隣でシャクシャクとかき氷を食べる吹雪は凄く、可愛い。

溶け始めて青色のブルーハワイのシロップと白い氷が混ざり合う頃、頭の中にキーンと痛みが走った。

「……いっ!!?」
「?どうしたの、風丸くん」

その痛みは一瞬で過ぎ去ったが、また食べる度にこの痛みが頭の中を走ると思うと食べる気がしなかった。

「頭、痛くって…」
そう言えば吹雪はくすくすと微笑しながら、
「じゃあ食べちゃおうかな」
なんて言うからそのカップを吹雪に渡したら、かき氷を口に含みキスをしてくるから驚いた。

口内に流れ込む甘い液体は吹雪の唾液と混じり、さっきまでの冷たさを失っていた。
そのまま飲み込んでも良かったが、吹雪の頬を両手で包むように抑えて液体を流し返したら、吹雪は噎せかえってしまったので焦って唇を離した。
「ご、ごめん吹雪…!」
背中を撫でていたら、涙目になった吹雪が、風丸くんの意地悪…と唇を尖らせたのが可愛かった。

「あ、風丸くんの舌、青くなってるよ?」
「吹雪なんて真っ青だ。」

かき氷は注文するとき、「風丸くんとお揃いがいい!」と吹雪に言われて、同じのを2つ頼んだ、から舌も当然同じ色に染まる。

「僕のが食べた量が多いから色が濃いのかな」
「…?多分な」
「じゃあお揃いじゃないのかな?」

もう一度吹雪の頬を両手で抑える。

「こうすれば、お揃いになるよ」

唇を重ねた。
お互いの青の色が消えて、もとの色に戻ってしまうくらいに。




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