03

「あ、クロエ〜」

飯田がマネージャーになってから私と飯田が一緒に居ることは殆どなくなった。
まぁ飯田にしたらマネージャーになった事でテニス部と居れるから私なんかと居なくていいって事なんでしょうけど。
私は私で飯田が来る以前からの友達とか居るし、飯田が居ようが居まいが関係ないんだけど。

「どうしたの?」

「今日放課後クレープ食べに行かなあい?」

「うん良いよー」

放課後テニス部を見に行ったりはしない。
興味ないし、そこまでしなくても今の所大丈夫だし。
今日は友達の誘いを受けて遊びに行くことにする。

***

放課後クレープ食べに行くだけかと思ったら色んな所に連れ回された。

「だってクロエなかなか一緒に遊んでくれないからぁ〜」

「そうだよー!こういう時に遊んどかないと今度いつになるか分かんないじゃーん!」

これが友達の言い分だった。
友達は何故か私をもの凄く可愛がる。
クロエに似合いそうだっから〜って髪飾りとかアクセとか買ってきては着けてくれたりする。
なんでこんなに好いてくれてるのか分からないけど、嫌われるよりいいのかしら。

雑貨屋さんを回った後、一人がプリクラを撮りたいと言い出してゲーセンへ行くことになった。
私だってプリクラくらい撮ったことあるわよ!
氷帝のテニス部の人達とか、景吾とか。
数える程だけど。

「クロエ真ん中ねぇ〜」

色んなポーズさせられて疲れたわ…。

プリントされてからもう遅くなるし、とクレープ屋さんに寄って帰ることにした。

「クロエってほんとに目の色綺麗だよねぇ」

「めっちゃ青いよね!」

「さっすが外人!」

クレープ屋さんに行く道すがら、先程撮ったプリクラを見ながら友達3人が盛り上がっている。

「ハーフだけどね…」

「えーでもスタイルが日本人じゃないよ〜。めちゃくちゃグラマーじゃーん」

そう言って一人が腰にぎゅっと腕を回して制服を線に合わせる。
そんな風にふざけてたらあっという間に着いた。

「なんにしよーかなぁ」

クレープって結構種類あるわよね。
注文して少ししたら渡されるんだから凄いわよね。


「クロエ?」

近くにあったベンチに座って皆で食べてたら名前を呼ばれ振り返る。
と、そこにはテニス部レギュラーを引き連れた飯田の姿。
久しぶりに見た気がするわ。

「あー百合香ちゃんだー」

テニス部居るし、ミーハーっぽく。
そんな私達を見たレギュラーは顔を歪める。

「何してるの?」

「見ての通り、クレープ食べてるの」

何なのこの子。
見てわからないわけ?

「そう。その子達は?」

「友達だよー。1年の時から仲いいの」

「へぇ…あ、そうだ!クロエも一緒に帰らない?」

飯田がそう言えば後ろのレギュラーの顔が更に歪む。

「百合香!何言ってんだよぃ!」

「そうぜよ」

「反対ですね」

「そうっすよ!こんなミーハー!」

「もう、私の親友になんてこと言うのよ!ごめんね?クロエ」

「んーん。平気ー」

本当鬱陶しいわ。
怒って申し訳なさそうにしてるけど口角上がってるわよ。
それ以前に私あなたの親友なんかじゃない。

「あ、私達もう帰らなきゃー。行こう3人とも!」

面倒になったから友達3人にそう言って飯田にはバイバイと手を振ってその場を後にした。


「あいつなんなの」

「うざいよねーマネージャーだからって調子乗ってさー」

「クロエ大丈夫ぅ?」

「大丈夫だよー!私こっちだからまた明日ね!」

私の心配してくれる友達に笑って手を振ると向こうも同じ様に返してくれる。
はぁ。あと1日頑張れば休みだわ……。
疲れる………。

mae ato
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