日本に来て沢山の初めてがある。
同じ地球なのにイギリスとはこんなにも違うんだ。
これだから文化というものは素晴らしい。

学校から帰って勉強をし、少しバイオリンを弾く。
友達は出来た。
氷帝学園には良い人ばかりでまだ日本に慣れない私に色々な事を教えてくれる。
日本語は不自由することなく話せるつもりだったが、難しい漢字なんかは何て読むのか分からなかったりする。
日本語って一つの言葉に沢山の意味があって大変だ。
それを当たり前のように操るのだから尊敬する。
私だって両親共日本人なのだけど如何せん生まれて15年。
ずっとイギリスに居たからやはり英語が主で、日本語を使うのはたまにしか帰らない両親と話す時に限られていた。
景吾さんはどうやってあんなに日本語をマスターしたのだろう。

まだ日本に来て数日だけど相変わらず両親は忙しそうで今日も帰られていない。
大きなテーブルで1人食事をするのは慣れたけど、やはり何処か寂しい。
我儘なんて言えないけど。
お兄様が居れば少しは違うんだけど、彼はイギリスだ。
もう少し、家族で食卓を囲むという経験をしてみたかったな。
だだっ広いお屋敷がとても心細い。




****




先日は帰れと促された部活見学。
イギリスに居た頃からお母様から聞いていたからとても興味があった。
景吾さんが率いる部活はどんな所だろうか。
どんな雰囲気だろうか。
見たかったけれど未だにそれは叶っていない。
それどころか景吾さんとお話しも出来ていない。
あんなに一緒に居られると思って日本に来たけど、景吾さんは忙しそう。
教室にもほとんどいらっしゃらないもの。
邪魔だけはしたくないから忙しくなくなるまで大人しく待っている。
本当は、一緒にお食事したりお話ししたりしたいのだけどね。
だめね、私。
ホームシックかしら。
イギリスの家が恋しいのかな。
日本に新しく建てたお屋敷に帰るとすごく寂しくなる。
執事やメイドさんも居るけど私のお世話をしてくれる人だけだから数人しか一緒に来ていなくて、とても大きく感じてしまう。
いつ景吾さんやお父様お母様とお食事出来るかしら。
もっと景吾さんと一緒に居たいと思うのは我儘かしら。




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