百幾年前のこと

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あの時俺は十番隊だった。
曳舟が零番隊に昇進し、霊王宮に行くことになり新しく十二番隊の隊長に喜助が就いた頃か。
ひよ里が五月蝿かった。

「静希居るかぁあ!?」

「なんだひよ里。五月蝿い」

「うるさいてなんやねん!?」

こいつは一々声がでかいんだ。
仕方ないから椅子に座らせ茶を出してやる。
一気にそれを煽ったひよ里はあー!と叫び出した。
勘弁してくれ。

「ほんっまムカつくはあんのハゲ!」

「真子か?」

「ちゃうわぁ!喜助のアホや!」

知ってたがな。
それより保護者は何をしてるんだ。
早く引き取りに来い。
その願いが通じたのか通じてないのか。
おそらく後者だ。
書類を片手にリサが入ってきた。
ノックくらいしろとあれ程。

「これ五番隊に回して」

「分かった」

俺に書類を渡して未だに座って騒ぐひよ里を見たリサ。

「んで、ひよ里は何してるん」

「あぁん!?てなんや、リサやんけ」

「アタシが来た事にも気づいてなかったんかい」

「ほっとけ。いつもの事だ」

そうしている内に休憩に入った真子や白が遊びに来たり、それが日常だった。
五月蝿かったが、心地好かったのかもしれないな。
春水や十四郎と居る時も落ち着くがこれはこれでいい。

藍染が動くまでは。


真子達があの現場に向かった時、胸騒ぎはした。
だが俺は俺でやる事があって一緒には行けなかった。
隊長がそんな勝手な行動をしてはいけないというのもあったがあの時は正直後悔したな。

何故行かなかったのか。
何故対処出来なかったのか。

考えても仕方ないがそう思ってしまう。
暫くして全員現世に居ることが分かったから良かったが。
元気ならそれでいい。

(3/8)

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