あおいそら

晴れの日に

 日頃の行いが良かったのか…ついに、念願の、デートにこぎつけた!
 とはいっても猫カップルも一緒なので、ダブルデートだし…彼女の家からすぐそこの公園に行くだけなのだが。

「今日は本当に良いお天気で良かったですね」

 真っ白な日傘とリードを手に持つ彼女は微笑んでくれる。それだけで胸一杯で死にそうだけど、こんな所でウッカリ死んでしまっては迷惑なので耐えて、返事代わりにカクカクと頷いた。

 彼女の言うとおり良い天気で、白いレースを沢山使ったワンピースが青空に映えて…良い。とても。
 今日のために作ったと嬉しそうに語っていた猫の服も、彼女の服に合わせて作られたようで、丸い襟に可愛らしいレースのリボンと鈴が使われていて、チリチリと可愛らしい音を立てている。一方俺が連れているコイツは、かっちりとした襟に蝶ネクタイで…明らかによそ行き感満載だが、嬉しそうに歩き回っている。

 その様子を見ているうちに、あっという間に公園に着いてしまった。

「さぁ、お弁当にしましょう」

 数歩先を行っていた彼女が微笑みながら振り返り、公園の東屋を指した。
 それを聞いていたらしいアイツは、お弁当という言葉に眼の色を変えて東屋にダッシュしたので、彼女から預かっていたバスケットを抱えなおしてか後を追った。


 アイツを捕まえて落ち着かせる頃には、彼女たちも東屋に到着した。
 持っていたバスケットをテーブルに置いて開けると、美味しそうなサンドイッチが詰まっていた。

「初めて作ったので、お味の方は不安ですが…どうぞ召し上がってくださいな」

 あまりにもサンドイッチを見つめていたからか、彼女は微かに顔を赤くしながら一つ取り出し、差し出した。
 ありがとう。何とか返事をしつつ受け取って、一気に頬張る。
 …美味すぎて涙が出てきた。

「ど、どうしました?」

 オロオロとしながらもハンカチで涙を拭ってくれる彼女を思わず抱きしめた。
 …神様、ありがとう――!!

<<   >>
Bookmark // List

- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -