▼ 夜桜デート
なんでこのメンバーをチョイスしたんだろうか、私。
若干?カオスな現在の状況に、思わず遠い目をしてしまった。
夜空と持ってきたライトに照らされた桜のピンクがコントラストを描き、敷いたブルーシートの上で謎の踊りを踊っている十四松と、鏡で顔面チェックしながら何か呟いているカラ松。
…花見に来たんだよね?
「もう一本いっとくー?」
クーラーボックスで冷やしているビールをおもむろに取り出した十四松は、プルタブを開けて飲んだ。
「ちょっと、十四松…ひとり3本だからね!」
ビールで水芸を始めた十四松をたしなめつつ、謎のポーズを決めながら桜の木にもたれかかっているカラ松の顔にビールを押しつける。
「冷たっ!?」
「天気もいいし、桜も綺麗だし…ビールも美味いし。
ほんと、今日は花見日和だね」
なんか文句を言っているカラ松を無視しつつ、三色団子を頬張りながら桜を見上げる。
まだ満開ではない桜は、風に吹かれても散らずに揺れている。
「あー、こんな所にいた。
もう、探しちゃったよー」
のんびりとビニールシートに寝転がりながらビールを飲んでいると…突然声が聞こえた。
驚いて振り向くと、既に出来上がったおそ松がビール片手に笑いながらやって来たかと思うと…ズカズカと靴を脱いでビニールシートに上がり込み、あぐらをかいて私のツマミを奪って食べた。
「ちょっと、勝手に食べないで!」
むしゃむしゃと食べているおそ松の手からツマミを奪い取り、食べる。
勝利の味を楽しんでいると、上から伸びてきた手に皿ごとツマミを奪われた。
ハッとして皿を奪ったカラ松を睨み付けると…いけないレディだ。とか意味不明なことを言い出したので、そっと目をそらした。
「あははー!楽しいね!!」
目をそらした先には十四松がいて、楽しそうに笑いながら曲芸をしているし、おそ松は爆笑しながらビールをあおっている。
そっと溜め息をついて、おそ松の隣に座り込んで十四松を見ることにしよう。
だって、折角の花見なんだし…楽しまなきゃ損だからね!
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