あおいそら

おそ松

 朝早く、家のチャイムが鳴った。
 今日は休日、眠いので無視でいいや。と二度寝を決め込もうとした瞬間もう一度鳴った。
 …そして立て続けに鳴り続ける。
 ピポンピポンと鳴り響く音に急かされ、イライラしながらパジャマのまま玄関を開けると…良い笑顔をしたおそ松が素早く家に上がり込んできた。

「おじゃましまーす」

 渋々おそ松を迎え入れながら、今日のおそ松の格好をジロリと見る。
 そういえばハロウィンだったか。と納得しながら悪魔っぽい格好のおそ松を横目に布団に入って二度寝を決め込む。

「おやすみー」

「ちょ、ちょっと待ってよ!
 まさかの二度寝?
 ほら、今日なんかあったでしょ?
 …そう!今日はハロウィン!
 ってなわけで、トリック オア トリート!
 お菓子ちょうだい!!」

 焦ったようにメチャクチャ喋ったおそ松に溜め息を付きながら…テーブルの上にあるポテトチップスを指さす。
 食いかけだけど、何も問題ない。

「ええー、アオイちゃん酷くない?
 これ食べかけだし、湿気ってるよ!
 ちゃんとしたお菓子くれないなら…悪戯しちゃうぞ?」

「ちょっと待て!
 実は用意していたのが冷蔵庫にあるから…」

 悪戯、という一言に素早く布団から抜け出して冷蔵庫を開ける。
 …実際は自分用に作っていたカボチャプリンを渋々冷蔵庫から取り出す。
 さようなら、私のオヤツその1…。

「やったー!」

 取り出したプリンを嬉しそうに奪い取ったおそ松は、勝手にスプーンを取り出して食べ始めている。
 とりあえず、今のうちに着替えておこう。
 まだ今日は始まったばかりだからね…。

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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -