▼ カラ松
「お誕生日、おめでとう!」
カラ松を私の家に呼びつけて、玄関を開けた瞬間にクラッカーを鳴らす。
思惑通り、驚いた表情のカラ松の頭の上にクラッカーの中身がのっている。
クスクス笑いながら、頭の上のゴミを払うと勢いよく抱きつかれた。
潰れたカエルのような声が出たし、内蔵が出そうなぐらい力強い。
「ありがとう、ハニー!」
唐突のハニー呼びに驚く前に…死にそう。
今持てるすべての力でカラ松の腕をタップすると…ハッとしたあとに開放してくれた。
一瞬お花畑の向こうで兄が手招きしているのが見えた…いや、兄まだ生きているハズだけど。
朦朧としながら、なんとか冷蔵庫にたどり着きホールケーキを取り出してカラ松に渡す。
ふらついてケーキを顔面にぶつけそうになったのはご愛嬌である。
「そんなことより、ケーキ買ったから食べよ」
「俺は…お前がた「はい、カラ松のお皿ね!」…はい」
わざと話を遮って、お皿を渡して…ホールケーキを真っ二つにして、お皿にのせる。
…量が多いな。
ちょっと分量間違えたかもしれない。と思いながら、コレから渡すアレを思い出すと笑いが込み…ぶふっ。
無理やり…じゃなくて、なんとか食べきった後、どこからともなくズルリと袋を引きずり出してカラ松に押し付ける。
もちろん、その袋はプレゼント用にラッピング済みである。
「コレ…俺にか?」
「もちろん!
あ、いらなかったらトド松君とかにあげるけど「いるっ!」…よかった」
ギュッと取られないようにプレゼントを抱きしめたカラ松に、早く開けてみて!と催促して開けさせる。
中身は…洋服と靴のセット。
…1度マネキンの服をごっそり買ってみたかった、とかではないからね?
バッと洋服を広げたあとキラキラした目で、今着てもいいか聞いてきたので、笑って了承すると…その場で着替え始めた。
優しい私はそっと目をそらして、出しっぱなしの皿やフォークを洗いに流しへ。
洗い終わった頃、カラ松が靴まで履いて私に見せてくれた。
…どうやらサイズは大丈夫だったようだ。
トド松を拉致して正解だった。と笑顔で似合ってるよ!とサムズアップすると、カラ松が緩みきった顔で私の頬にキスをした。
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