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▼ quattro
スペルビと仲良くなってから特に大きく変わったことは…あった。
それは、スペルビに恨みを持った者からの攻撃だったり、スペルビに取り入りたい者からの賄賂だったりと…様々だった。
恨みを持った方は、なんとか死ぬ気で退けたり…たまにスペルビが気がついて倒してくれたりと様々で、正直生きていることに毎日感謝するくらい酷いものだった。
逆に取り入りたい方は、無下にも出来ず…紹介料を頂いて、スペルビに伝えるだけっていう感じでお金だけ頂く感じで収まった。
スペルビに伝えるだけでお金が入るので、正直ありがたい。
そのお金を元手にベーカリーをオープンさせて…安定した生活が送れているし。
学校を卒業してからも、細々と連絡を取り合って時々ご飯を食べに行ったりと仲良くさせてもらっているスペルビから電話が掛かってきた。
なんでも、ヴァリアーのボス…剣帝・テュールと明日戦うという。
「…そっか。
まぁ、スペルビが負けるわけ無いと思うし…大怪我しない程度に頑張ってね?」
『あぁ…。
だが、もし…俺が負けたらその時は…。
その時は、お前泣くか…?』
「負けるとかこれっぽっちも思ってないけど、もし負けて死んだら…泣き叫びながら怒るよ。
だから…負けても絶対死なないでね」
『そうかぁ…。
もしこの戦いが終わったら、クコに伝えたいことがある』
そう言い残して、じゃあな。と一方的に電話は切れた。
「それ、死亡フラグじゃん…?」
私の呟きは誰にも聞かれることもなく、消えていった。
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