あおいそら

<<   >>

tre

 翌日、昨日の雨が嘘のように晴れました。

「おはよう、身体はもう大丈夫?」

 朝ご飯を食べてから部屋に戻ると、起きていたスクアーロに声をかける。
 …どうやら熱が下がっていたようで、私が昨日買ってきた服を着てベッドに腰掛けていた。

「あぁ、もう大丈夫だ。
 …世話になったなぁ」

「そっか。
 …あ、ご飯食べれそう?
 食べれるなら持ってくるけど…」

「…あぁ、頂くぜぇ」

 何故か溜め息をついたスクアーロを不思議に思いつつ、もう一度戻って朝食を持ってくる。…といってもパンだが。



 パンを食べ終わったスクアーロは、帰る。と言って立ち上がった。

「あ、私も学校行かなきゃだから…一緒に行く?」

「…何でそうなるんだぁ」

 どこか脱力したスクアーロを横目に、大量のフォークを仕込んでカバンを肩にかけた。
 そして、彼の腕を掴んで引っ張る。玄関はこっちだよー。と。



 彼は抵抗もせず、すんなりと私に引っ張られてくれて…一緒に登校した。
 周りの目が凄く気になったが…スクアーロと一緒だからだろうと完結した。

「…そういえば自己紹介してなかったよね?
 私、クコ。
 君はスペルビ・スクアーロ君だよね?
 …スッピーって呼んで良い?」

「止めろぉ!!」

 スッピーはダメだったようで、素早く拒否された…。

「じゃあ、なんて呼べば良いの?」

「普通にスクアーロでいい」

「分かった、スッピー!」

「止めろって言ってんだろうがぁ!!」

「チッ…じゃあスペルビで妥協するね」

「お前…最初の頃のオドオドしてたお前はどこ行ったんだぁ…。
 もしかして演技だったのかぁ?」

 肩を落として脱力している様子のスクアーロ、もといスペルビに、あぁ、それね。と一つ頷く。

「最初はスペルビの事、怖かったけど…案外優しいヤツだって分かったし、どの程度なら許されるか分かったから。
 …だからこうやって軽口がたたけるんだよ」

 ニッコリと笑いながらスペルビの背中を叩いて、私教室行くから。またね!と手を振って走り去った。
 …私は本気で彼は良いヤツだと思っている。…凶暴ではあると思うけど。

<<   >>
Bookmark // Bookshelf

- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -