あおいそら

<<   >>

作戦は

 代理戦争4日目は、午後3時開始だった。
 私達の作戦は、デコイを使った陽動と各個撃破という分かりやすいものである。
 とはいってもデコイは元となる人間の炎と心拍音・声を使用している精巧なものだ。
 …大事な戦闘チームは、遊撃隊・ツナ、炎真、バジルの超[ハイパー]トリオ。幻術を用いた時間稼ぎの、山本、獄寺、クローム、フランのチーム。
 そして、ザンザス、スクアーロ、白蘭、骸、ディーノ…そして私の連合チーム。この連合チームは一番強い敵・イェーガーを相手にする。


 戦闘は、作戦通りに進んでいるようで、連合チームもイェーガーとの戦闘を開始する。

「んじゃ、じゃんけんで勝った僕からやらせてもらうよ」

 白い羽根を生やした白蘭が、トン。と地面に降り立ちそう述べた。
 …が、相手は全員纏めて戦うつもりだ。と宣言する。
 それは嘘ではない。と判断し、背負っていたライフルを構えて後ろへと下がった。

「白龍[しろりゅう]!!」

 笑みを絶やさない白蘭は、初っぱなに大技をくり出したが…ツナから聞いていた、短距離瞬間移動[ショート・ワープ]で避けられ…ザンザスの背後に現れ…腕を切り落とした。
 ザンザスの右腕が…宙を舞った。

「嫌っ…ザンザス!!」

 目の前が真っ白になって、一瞬何も考えられなくなったが…腕を落とされても攻撃するザンザス、それに追撃するスクアーロを見て正気に戻った。
 すかさずイェーガーに照準を合わせ、放ったが…身体を少し傾けられて避けられた。
 そして流れるようにスクアーロの腹に手刀で風穴を開け、私の所に走り寄り…避ける暇も無く腹に腕が刺さったのが分かった。

 ゴポリ。と血を口から垂れ流しながら私は地面に転がった。
 ゆっくり地面に自分の血が水溜まりを作っていく…。

「…ザンザス、私は…大丈夫だからっ…気にせず…っ!」

 微かに残る気力を使い、声を発した。
 その声が、ザンザスに届いていれば…いいのだけれど。

――薄れゆく意識の中、ザンザスの声が聞こえた気がした。

<<   >>
Bookmark // Bookshelf

- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -