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▼ 始まる生活
この前会ったお兄さんがまさか、サブウェイマスターの…えっと、クダリさんだったとは。…なんて思い出しながら、棚を整理する。
今働いているのは駅の売店…間違ってもバトルする方ではなくて一般客の方です。
通勤ラッシュも終わって、補充も完了。お昼まで暇だなぁー。と、今ではすっかり慣れて一人で店番をしている。
流石に一般の方なのでノボリさんもクダリさんも見かけることも全くなく、今日も昨日とさほど変わらない…って、五月蝿いな!
店の外から聞こえる大声に重い腰を上げて店から出ると、なにやら喧嘩しているようで…ポケモンを取り出してバトルが始まろうとしていた。
…いや、こんなところでバトルはダメでしょ。
とりあえず、二人を止めなくては!とモンスターボールを投げた。
「リザードン、やっておしまい!…じゃなくて、二人のポケモンを止めて!」
「グァー!」
ポケモンを出すと、私に気がついた迷惑カップルが私に矛先を向けて攻撃しようと方向を変えたのを見計らって、"ねっぷう"をカップルのポケモン2匹に叩き込む。
圧倒的なレベル差でひねりつぶされたカップルのポケモンは"ひんし"状態で地面に横たわった。
「あぁん!私のポケモンちゃん!」
「俺のポケモンが!?」
驚くカップルを見て、この後どうしようかと悩んだ瞬間…声がした。
「このような場所でのポケモンバトル、関心いたしませんね」
「あれ?でもバトルもう終わってるみたいだよ?」
人垣をかきわけてやってきたのは、サブウェイマスターの2人だった。
マジかよ。なんて思いながら素早くリザードンを仕舞って後ずさる。
…だって、バレて仕事辞めさせられるとか、シャレにならん。
「あぁ、どうやらこの方が鎮圧させたようですね…おや、クコさまではありませんか」
ば、バレたー!
踵を返して逃げようとした…逃げられない。
なぜなら、私の後ろに回り込んだクダリさんが私の肩を掴んでいるから。
「お久しぶりですね…ノボリさん」
「はい、お元気そうでなによりです。
では…別室で事情をお聞かせくださいまし」
「はーい、1名様ご案内。出発進行!」
謎のコンビネーションで私の左右の腕を掴んで、ズルズルと関係者様以外立ち入り禁止の扉の奥へと連れ去った。
双子、コワイ。
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