あおいそら

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職を求めて

 今日ライモンシティにやって来たのは他でもない。職探し、だ!
 ここには沢山の施設がひしめきあってるし、きっと仕事も沢山あるはず!そう意気込みながら切符を握りしめ、電車から降りると…クソでかい駅が私を迎えてくれた。
 これは、迷うな…!そう確信しながら、足取り軽く歩き始めた。

 のが、1週間ほど前のことだっただろうか。
 全然仕事が無かった。
 いや、2、3日くらいで気がついてたよ?本当だよ?と誰かに言い訳しつつ、いっそポケモントレーナーでいいかな。と溜息をついた。
 そろそろ、その辺の雑魚じゃなくて、トレーナーを倒して手に入れた資金も付きそう…。
 無意識に地面を見つめながら歩いていると、ボスンと人にぶつかってしまった。
 やらかした!と思いながら、全力で相手に頭を下げて謝る。

「すみません!」

「いえ、大丈夫ですよ。
 あなたさまは大丈夫でしたか?」

「はい、大丈夫でっす!」

 とても身長の高いお兄さんは丁寧な口調で無表情という謎の威圧感を感じながら、もう一度ペコリと頭を下げてお兄さんの顔を見上げると…ライトグレーの瞳と目が合った。

「…なにかお困り事でもおありでしょうか?」

 少し頭をかしげたお兄さんを見て、藁にもすがる思いで告げる。

「仕事が全然見つからないんです…!」

 キョトンとした表情でこちらを見つめるお兄さんに簡単に事情を話すと、なるほど。と一つ頷いた。

「でしたら、あそこなんていかがでしょうか?」


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- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -